岩波文庫は今年創刊90年を迎えた。
その記念のフェアの一環で、「岩波文庫で味わうわがふるさと」という企画がされた。
岩波文庫の中から47都道府県にそれぞれゆかりのある一冊が選ばれている。
それが紹介されている冊子を岩波書店から送ってもらった。
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都道府県から各一冊選ぶのはさぞ難しい事であったろうと思う。
さて、私のふるさとである島根県は何が選ばれているだろうか。
島根県にゆかりのある岩波文庫というとそう多くは思い浮かばない。
神話の国ということで「古事記」、津和野出身の文豪森鴎外の作品だろうか。
島根県の一冊はラフカディオ・ハーン=小泉八雲の「怪談」であった。
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ラフカディオ・ハーン(1850~1904)はギリシャ出身で1890年(明治23年)に記者として来日、その後英語の教師として教鞭をとった。
最初に赴任したのが松江であった。
その翌年の1981年に松江出身の小泉セツと結婚。
日本を愛し、特に松江には縁があった。
1896年に日本国籍を取得して、小泉八雲と名乗った。
「八雲」は出雲の国にかかわる言葉でもある。
小泉八雲は確かに島根県にゆかりのある人であった。

その小泉八雲の「怪談」を購入し読んでみた。
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有名な「耳なし芳一のはなし」をまず読んだ。
この話は「耳なし芳一」として子供のころによく読み聞かされた。
それは子供用の物語であったようだ。
あらすじもだいたいは覚えている。
今回初めてその原文を読んでみた。
その物語の奥深さを感じた。

そして次に「雪おんな」を読んだ。
「雪おんな」が小泉八雲の作品とは知らなかった。
怪談であるが、読み終えて何か切なさを感じた。
この「雪おんな」について調べてみると、この物語の舞台は何と東京都青梅市であることがわかった。
そして、その青梅市に行ってみることにした。