埼玉県入間市にある狭山ゴルフクラブに仕事でよく行くのであるが、ここに来るたびに車で茶畑の中を通るのである。
ここ入間市は狭山茶の産地である。
一面茶畑が広がる。
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まだ新茶の季節ではないが、これから新芽が出て、それを摘み新茶となる。
その頃はこの畑も新緑の景色となる。
 
お茶といえば静岡、鹿児島、宇治などが有名であるが、狭山茶も生産量としては決して多くはないがお茶のブランドとして名が知れている。
かつて東村山音頭という歌の中で「狭山茶どころ」と歌われたことでも有名になった。
狭山茶の生産量が多いのがここ入間市である。
 
入間市博物館=アリットに行ってみた。
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入間市の歴史に関するいろいろな展示があるのであるが、私はとりあえず今回はお茶の展示コーナーを観ることにした。お茶の博物館といわれるだけあって、お茶に関する展示が充実している。狭山茶に関することはもちろん、日本、世界のお茶の歴史、文化、風習まで様々なお茶の世界が学べた。
 
開館間もない時間に訪れたので、まだ来館者は少なく、お茶の展示コーナーは私一人で、職員の方が丁寧に説明して下さるという幸運にも恵まれた。また写真撮影の許可も得て、腕章を付け、さながら取材をしているような気分であった。
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日本のお茶についての展示
 
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チベットのお茶。バターやミルクを入れて飲むらしい。
 
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狭山茶の製茶の道具。この道具や機械が導入されたころから産業としての製茶が発展したといわれる。
 
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千利休の茶室を再現したもの。
 
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日本のお茶の風習で、これは北九州に伝わる結納茶。結納にお茶を贈る。お茶はどちらかといえば不祝儀に使われるものであるが、このお茶は特に出の悪いお茶が使われ、縁起をかついでいる。
 
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お茶の木。茶畑のお茶の木は低く揃えられたものであるが、それは葉を摘みやすいようにするためで本来はこのようになる。お茶はツバキ科の植物である。椿の木によく似ている。
 
続いて近くにある茶業研究所を訪ねた。
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ここは茶の生産者向けに、茶の研究をしているところである。
一般の見学もできるが、展示内容はアリットの方が充実している。
時期によっては茶摘みの体験もできる。
施設の茶畑では茶の苗のが植えられていた。
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茶畑でよく見かける背の高い扇風機のようなもの。
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これは防霜ファンといわれるもので、新芽が出るこの時期に発生する霜を防ぐためのもので、上層の暖かい空気を茶畑に送り新芽を霜の被害から防ぐ。
それより今年の大雪の被害が心配されたので伺ってみたら、お茶に特に大きな被害はなかったそうである。
 
お茶についていろいろ学んだところで、狭山茶について。
お茶の産地といえば温暖なところを想像するのであるが、お茶の木は多くの水と、水はけのよいところを好む。狭山茶の産地であるこの一帯は台地になっており、地質も関東ローム層という火山灰に覆われ、その下層は砂や石ころの層があり水はけがよいのである。気候的には比較的冷涼であり、茶がじっくり育ちそれが茶の味を特徴づける。大きな茶の産地の中では日本の北限に位置する。
「色は静岡、香りは宇治、味は狭山でとどめをさす」と歌われるほどその製法から甘く濃厚な味が狭山茶の特徴といわれる。
狭山茶は農家が自ら栽培、加工、販売を行う「自園自製自販方式」が主流。
そのお茶の販売店によって狭山茶を購入した。
昨年はここで新茶を買った。まだ新茶は出ていない。
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このお店では自宅で採れた野菜などをお土産につけてくれる。
昨年は朝産んだ卵を頂いた。この日は長ネギをどうぞといわれたが、車に乗せるわけにもいかず残念ながらお断りした。
 
家に帰り早速狭山茶を飲んだ。
お茶について学び、そのことを想いながら飲む狭山茶はまた味わい深いものであった。