この一週間あまりの中で最も注目されたのは。
タモリさん、小保方さん、渡辺さん・・・
やはり桜であろう。
「視聴率」ほぼ100%であろうか。
東京では3月25日に開花宣言され、30日に満開となった。
この週末までは何とか楽しめそうである。
そもそも「桜」といっても品種も様々、咲き方も様々である。
私たちが特に愛でている桜というのは、ほとんどは「ソメイヨシノ」である。
日本の桜の約8割はこのソメイヨシノで占められる。
もともと日本の桜はソメイヨシノではなかった。
ソメイヨシノが現れたのは明治3年(1871年)に靖国神社に植えられたのが初めてという説がある。
古典文学や和歌に出てくる桜、江戸時代の時代劇や落語に出てくる桜はソメイヨシノではない。
ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラを掛け合わせたいわゆる「クローン」なのである。
ソメイヨシノは漢字では「染井吉野」と書く。染井は現在の東京の駒込。吉野は奈良の吉野である。染井はかつて園芸業が盛んな地であった。そこでソメイヨシノが初めて生まれたという。
明治以降日本の桜はソメイヨシノで占められていくことになるのである。そして桜といえばソメイヨシノ。春の主役になっていくのである。
こうした桜の歴史、ソメイヨシノの歴史、日本人は桜をどう語ってきたかについては佐藤俊樹著「桜が創った「日本」」(岩波新書)を読むとよくわかる。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190902/00/genba1215/f8/11/j/o0241040014568398983.jpg?caw=800)
東京の桜の名所数々あれど、近所の桜を見てきた。
下高井戸、桜上水の間にある日大文理学部前の桜並木。
先週末桜まつりがおこなわれた。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190902/00/genba1215/f9/e7/j/o0400030014568398990.jpg?caw=800)
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190902/00/genba1215/da/55/j/o0400030014568399002.jpg?caw=800)
上北沢の住宅街の桜並木。今週末桜まつりがおこなわれる。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190902/00/genba1215/7d/fa/j/o0400030014568399013.jpg?caw=800)
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190902/00/genba1215/86/67/j/o0400030014568399021.jpg?caw=800)
世田谷区の公園にソメイヨシノが咲く前にこの一本の木が目に止まった。
「オカメザクラ」とある。あざやかな濃いピンク色の花である。
ソメイヨシノが咲き始めた頃花が散っていた。
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190902/00/genba1215/69/0b/j/o0400030014568399031.jpg?caw=800)
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20190902/00/genba1215/e2/ad/j/o0400030014568399039.jpg?caw=800)
ソメイヨシノの特徴は何と言ってもその咲きっぷりである。
一本の木に咲く花の量。それが数十本、数百本と群れを成すと、まさに圧巻である。そして一斉に咲き、そして一斉に散る。その散りっぷり。
ソメイヨシノは日本の風景、人の心、社会、生活、色彩感覚などにに最もマッチしたからここまで栄えてきたのであろう。これが花が一か月も咲いてたら、花の色がもっと赤かったら・・・・
春の風景も変っていたことであろう。
かの吉田兼好も徒然草の中で
「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。・・・・
咲きぬべきほどの梢、散り萎れたる庭などこそ、見所多けれ。」と。
桜の楽しみ方もいろいろである。
それにしてもソメイヨシノを写真に美しく撮ることのむつかしさをつくづく感じた。
桜は歴史の中で日本人の精神とも深くかかわってきた。
今このことに関心を持って本を読み始めた。