地域情報誌タウンニュースに記事掲載。

人生ころころ

 ○…江戸時代の発明家・平賀源内が由来の「どんぐり源さん」の愛称で、どんぐりを食用にし「森の楽校」をはじめ市内外の各種イベントで「どんぐり料理」を広めている。新しいことへの挑戦を忘れない性格からもピッタリの愛称で本人もお気に入りだ。

 ○…「人間はなぜこの世に生まれてきたんだろう。生きるってなんだろう」。驚くも幼少時代からそんな疑問を浮かべ、思い悩み、周囲の人に疑問をぶつけては相手を困らせていた。時間が経っても答えの見えない悩みを抱えた日々。解決策を得ようと宗教や政治、ときには山奥での仙人修行など、疑問に対する追求心が行動の原動力になった。1975年頃、公害が社会問題化し、大ベストセラーとなった有吉佐和子の「複合汚染」に影響を受け、「環境に役立つことがしたい」と仕事をやめ、無農薬野菜を作り始めた。しかし、行動しても行動しても頭の中にある、大きな疑問がスッキリすることはなかった。

 ○…「この出会いが私を変えた」。76歳のとき、どんぐりを研究している友人にその魅力をみせられ、関心を持つように。ミネラルも豊富で、ビタミンCはレモン以上。縄文時代には主食だったことを知ると、食品化に向け動き出した。どんぐりクッキーから、パン、麺、茶などチャレンジの日々が始まった。ふとした出会いから群馬県の製菓店とタイアップし、「どんぐりせんべい」が完成し商品化されたり、昨年には障がい者の就労支援を兼ねた「ドングリレストラン」へ携わるなど、どんぐりが新しい世界へ導いた。「80歳を過ぎてから奇跡が始まった。そう思いましたね」と興奮気味に語る。

 ○…「この歳にしてやっと悩みの答えが見えてきました」。答えに迫ると「言葉では言い表せないですが縄文時代の心を持つことですね」と続ける。夢は「どんぐり楽園村」を作ること。155cmの小柄な体だが、中身の世界は無限に広がっている。
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