それまで、モンスター達の話で、かなりシリアスになっていた場の空気が、空君たちが突然落ちてきたことで、良いことなのかどうかは別にして、和んだことだけは確かだった。だって、赤い地球から、モンスター達も白い花の花園に、降りて来ているけれど、それは本当に降りて来ているっていう感じなのに比べて、空君たちのは落ちてきたっていう感じだったから。
モンスター達からも、
『なんだ、今落ちてきたのは、大丈夫なのか』って、声が出るくらいに、そして、それに答える、空君
『ああ、大丈夫です。びっくりさせて、すいません』って、すごく真面目に、空君が花園中に響くような大きな声で言うと、モンスターの中から
『ああ、お前、何年か前に酔っ払いの車に跳ねられた小僧だ。俺、あの時、その酔っ払いの心の中にいたんだ。あいつは、酷いやつだった。酔っ払い運転はするし、轢き逃げも、酒に酔うと、家族に暴力は振るうし、借金は踏み倒すし、嘘は上手いし。ここに、小僧がいるって事は、結局、そうか。俺達が、ここで静かに眠ると、そんな人間が、少しは減るのか。お前ら、よく覚えておけよ。何が恐ろしいって、生きている人間ほど恐ろしいものはいないぞ』って、空君を轢いた男の心の中にいたモンスターが言うと、違うモンスターが
『そう、人間は、抗生物質が、次から次に効かなくなる病原体みたいだから、そしてパワーアップする。天界から来た猫たちや、ガーディアンは、モンスターがパワーアップしていると思っているだろうけれど、そうじゃないよ、パワーアップしているのは、人間なんだよ』って、
『そうそう、青い地球の人間が、赤い地球の人間みたいに、争いをしない人間だったら、モンスターは生まれないんだから』って、違うモンスター
『もう、それくらいに、私達は、そろそろ眠りつこう。猫、地軸を元に。次のモンスターが生まれたら、それは、その時に考えることだ。今は、地軸を元の戻すことが先決だから』って、レッドポイズンが言うと、
『これで全員だな』って、ホープ君のおじさんの声が
『はい、揃いました』って、心臓を飲むモンスターが答えた。
その答えと同時に、モンスター達は全員、目を閉じた。そして、次々に白いスズランの花の中に、消えていった。
最後に、一輪だけ残った際立って大きなの花の中に、レッドポイズンとホープ君のおじさんが、
『天界からの猫たち、ガーディアン、地球とホープを』って言って、消えていった。
それは、あっという間のことだったので、僕らは、別れの言葉をかけることさえ出来なかった。
つづく