さつきちゃんは、Aちゃんからの手紙を、お婆ちゃんのベッドの足元に腰掛けて、読んでいた。読み終わったさつきちゃんの頬には、涙の筋が何本も出来ていた。

『お婆ちゃん、神様は、意地悪だよね。それに、えこひいきをするんだね』って

そう突然言われたお婆ちゃんは、普通だったら何がって聞いたり、少し間をおいて答えるんだろうけれど、即

『そうかもしれない。神様も、忙しくて時々見落とすことがあるんだよ』って、お婆ちゃんが遠くの方を見ているような目で言った。

さつきちゃんは、そんなお婆ちゃんを不思議そうに見ながら、

『お婆ちゃん、Aちゃんの手紙、読んでみて』って言いながら、さつきちゃんはAちゃんからの手紙をお婆ちゃんに。お婆ちゃんは、手紙を受け取りながら

『いいのかい、お婆ちゃんが読んで』って

『うん、いい』って、さつきちゃんが言うと、お婆ちゃんは、手紙を読み始めた。途中何度か、手紙から目を放して空を見つめて、何か考えているみたいに見えた。

そして、読み終わると、さつきちゃんの目を見て

『胸が痛くなる手紙だね。Aちゃんが、この手紙を持ってきた時、急によその病院に変わることになったって言っていたんだけれど、そんなことは急に決まったりはしないと思っていたんだけれど、それは聞いちゃいけないと思ってね、聞かなかったんだけれど。こなんことを、Aちゃんは一人でずっと考えていたんだね。お婆ちゃんはね、Aちゃんがまた手術をするって聞いた時に、さつきと同じ年の子が、3回も4回も手術をして、きついリハビリをしているのを聞いた時に、切なくなったんだよ。Aちゃんのご両親も大変だろうけれどね』って、ベッドのお婆ちゃんの横に移動したさつきちゃんの頭を撫でながら言った。

『さつきね、知っていたんだAちゃんが手術したくないってこと、でもね、お母さんに言われたんだって、手術をして欲しいって。それで、なんとか少しでも良くなって、家に帰ろうって。それってね、ずっと入院しているとお金がいっぱい掛かって、大変なんだって。そのはっきりとは言われなかったけれど、でも、Aちゃんには、分かるって言っていたんだ。お母さんが、Aちゃんに泣きながら謝ったんだって、こんな体に生んで本当にすまないって。3回目の手術の時は、なんにも考えないで手術なんかいやだって、泣いたりしたんだけれど、今回は我慢するんだって。お婆ちゃん、なんでAちゃんもAちゃんのお母さんも、こんなに悲しいの』って、さつきちゃんが言うとお婆ちゃんは、何も言わずにさつきちゃんのことを抱きしめた。その強く、優しく、温かく

 

         つづく