さつきちゃんがずっと一緒にいて、凄く大事にしていたあのお人形がどうして、お母さんに捨てられてしまったかということを、話すときにとても大事なことがある。
その大事なことっていうのは、あのお人形は誰がさつきちゃんに、くれたのかということにあるらしい。
さつきちゃんのお母さんが、あのお人形を捨てる時の様子は、それはそれは怖かったってさつきちゃんは思った。そのことを誰かに話したいんだけれど、それを話すことはいけないことなんだって、まだ3歳かそこらのさつきちゃんにも、敏感に感じていた。
そして、誰にも話せないっていうことが、さつきちゃんに重くのしかかってきて、最終的にさつきちゃんは、そのことを忘れることにして、そしてそれと一緒にお人形を嫌いになってしまった。
正確に言うと、お人形を嫌いになったっていうのは、正しい表現ではなかったんだけれど、さつきちゃんは子供だから、
『さつきは、お人形が嫌い』っていう表現の仕方しか分からなかっただけのことで、本当は、さつきちゃんからお人形を取り上げて、そのお人形を捨てる時のお母さんの形相が、余りにも怖くてお人形イコール怖いっていう風に、さつきちゃんの脳裏に刷り込まれてしまったんだ。
どうして、さつきちゃんのお母さんがそんなに恐ろしく代わってしまうくらいに、そのお人形のことを嫌ってしまったのかというと、あのお人形をさつきちゃんにくれたのが、さつきちゃんのお母さんのお母さんだったんだ。
さつきちゃんの記憶の中には、さつきちゃんにあのお人形をくれた、さつきちゃんのお母さんのお母さんっていう人のことは、全くないんだ。その影も形も、ないんだ。
なんで、さつきちゃんのお母さんが、自分のお母さんのことを嫌いだったのかは、分からない。2人の間にどんなことがあったのかも、でも、さつきちゃんが生まれた時は、普通の関係だったのかな、そのさつきちゃんにお人形をプレゼントする暗いには、そしてそのプレゼントであるお人形を、さつきちゃんが大事にしていても問題がない程度には。
まあ、今となっては知ることもできないし、知らなくてもいいのかな。
ただ、さつきちゃんは、お人形を取り上げられた時に、さつきちゃんもお母さんに
『さつきのお人形、返して。壊さないで、お母さんなんか嫌い、大嫌い』って、泣いて訴えて記憶が微かにある。だって、凄く大事なお友達だったから。
さつきちゃんは、お爺ちゃんたちと一緒に暮らすまで、余り、ほとんど人間のお友達がいなかった。さつきちゃんのお母さんっていう人は、どちらかというと余り社交的ではなかったらしくて、外でさつきちゃんを他の子供と遊ばせるっていうことが、なかった。
じゃ、家の中で、さつきちゃんはお母さんにべったりって、いうわけでもなかったみたいなんだ。もしも、お母さんにべったりで、お母さんに可愛がられていたとしたら、何かお母さんと家にいた記憶があってもいいと思うんだけれど、これも全くない。あるのは、いつもあの人形と一緒っていうことくらいなんだ。そして、いつもお人形と話をしていた。多分、あのお人形は、さつきちゃんが生まれてすぐにプレゼントされたんじゃないかって思っているんだ。
お母さんも、さつきちゃんがあのお人形を大事にしていたことは、十分知っていたはずなのに、さつきちゃんは、お母さんが怖い顔をしてお人形を壊している姿、見ていて思ったんだ、まるで壊されているのが、お人形じゃなくてさつきちゃん自信じゃないかって。まぁ、子供だからそこまでは思わなかったかもしれないけれど、でもお人形の痛さは、感じていたと思う。首がとられ、腕が足がもぎ取られて、そりゃお人形だから、何もいわないけれど、さつきちゃんはずっとお話をしてきたから、さつきちゃんにはお人形さんの心が、痛さが伝わってきたから、お母さんが怖くなってそして嫌いになったんだ。
だから、本当のことをいうとさつきちゃんは、お人形が嫌いっていうことではなくて、その時のことを思い出したくないから、お人形のことを嫌いになったって、そうするとお母さんのことを話さなくてもいいから、本当は、お人形もお母さんのことも・・・
つづく
*ここ最近、我が家のお犬様のリッチ君の調子が良くない、2日くらい下痢がひどかかったのが、やっと落ち着いたと思っていたら、今、買い物から帰ってきたら、胃液っぽいものがあっちこっちに、年なので〔15歳と6ヶ月〕気になる。
元ちゃんがいない今、リッちゃんは我が家のただ一人のスターなので、頑張れ