リッちゃんは、きっとこの時、ぐずぐずしていてはいけないって思ったんだろう。本当は、ずっとずっと名残を惜しんでいたかったのを、我慢したっていうのがよく分かる。リッちゃんは、愛ちゃんに抱えられた僕を背中に乗せて、星のお墓まで送ってくれた。僕は心の中で、

『リッちゃん、送らなくていいんだよ。僕には、帰りのリッちゃんの姿が目に浮かぶから、その姿が僕には辛いよ』って、

この思いは、僕だけじゃなくてみんなが思っていたんだけれど。

『ねえ、みんな、みんなが出かけている間僕は、元ちゃんのことを色んな角度から撫でたり舐めたりして、どこが悪いのか捜していたんだ。結局、それほど酷い傷って言うのは、みんなも見て知っている通りなかったんだ。ただ、元ちゃん、貧血の時と同じような症状が目とか鼻に出ているんだ。その赤みがないんだ、なんていうか白いんだ、えーと、血の気がないっていうのが当たっているのかな。だから、意識が戻らないのかもしれない。元ちゃん、トーテムポールの中で血を吸われていたのかも。だって、レッドポイズンが人間の血を吸っていた見ていただろう。もしかしたら、モンスターってどんな形か分からないけれど、吸血鬼だったのかもしれない。アッちゃん、天界のママやマザーたちに、輸血がすぐできるようにって伝えておいて。きっと、役にたつと思うんだ』って、リッちゃん

『愛ちゃん、愛ちゃんは、一体トーテムポールの中で何を見たの』って、空君

『僕、正直に言ってゲーム機を操縦していたんだけれど、あんまりゲーム機の中で何が起きていたのかがよく分からないんだ。肝心なとこで見えなくなってしまって』って、空君が

『そろそろ見えてくるよ、星のお墓が』って、アッちゃんが

『ワーお花がいっぱい、それに色々な食べ物が、きれいに包まれて置いてある』って、愛ちゃんが。そして愛ちゃんが不思議そうに

『ねえ、何であんなにきれいに包んであるの。あれじゃ、みんなが食べれない』って、聞いてきた。

『ほら、愛ちゃん良く見てごらん』って、リッちゃんが

『あ、食べ物を持っていく人がいるよ』って、空君が

『本当だ、あの人ポケットに入れたよ。いいの』って、愛ちゃんが

『いいんだよ。多分、星のお墓にお供えをしてくれている人たちは、少しでも役に立てればって、お供えしてくれているんだと思うから。今ってさ、人間の社会って凄く大変だから。きれいに包まれているのは、ほこりなんかが掛からないようにしてくれているんだよ』って、アッちゃん。そしてアッちゃんは

『リッちゃん、元ちゃんの輸血の話は、ママやマザーたちに聞こえていたと思うよ。大丈夫、さあ、愛ちゃん、僕の背中に乗って』って、

空君が、リッちゃんを抱きしめにアッちゃんの背中から下りてきた

『リッちゃん』って、愛ちゃんはリッちゃんに声をかけて、僕を抱えながらリッちゃんの背中からアッちゃんの背中に、空君も

アッちゃんは、無言でリッちゃんに

『任せて』って

『気をつけて、元ちゃんのことお願い』って、言う言葉を背中に聞きながら、意識の戻らない僕を連れてみんなは、マザーたちが待つ天界に向かって出発した。


          続きはまた天使