すぐそこに、僕らの助けを待っている子が居るんだ、その子の今にも消え入りそうな吐息と、それでも一生懸命に助けを求めている、心の声が僕らを誘導しているみたいに、智ちゃんの足が進んで行く。
『元ちゃん、私の足がね、勝手に進んでいくんだけれど、これって助けてって言っている子が、呼んでいるんだよね。私の足を止めなくてもいいよね』って、少し不安そうに聞いてきた。
『うん、取りあえずこのまま、智ちゃんの足が進むままに行ってみよう。何か起きても心配しなくてもいいよ』って、僕が言うと、智ちゃんは返事の代わりに、僕のことをギュッと抱いている腕に力を入れた。
そのころ、蝶ちょさんと合流したアッちゃんたちは、蝶ちょさんから中の様子を聞いている。その中には、意識をすっかり取り戻して照れくさそうにしているボス猫さんを抱いている智ちゃんのお兄ちゃんの望君も、蝶ちょさんの説明を食い入るように聞いている。
『あの、智は元気にしていましたか。智の手はどうなっていたか見た』って望君
『元気にしていました。元気さんも無事でした。あの手のことは分かりません。すいません』って、蝶ちょさんが言うと
『ああ、いいんです。僕の方こそ、すみません』って、望君
『で、中には、僕らも入れる』って、リッちゃんが聞くと
『それが、入り口がわからないんです。私は、たまたまトーテムポールが欠伸をしたときに中に入って、出てくる時は体をバタバタさせて粉を飛ばして、くしゃみをさせてその隙に飛んできたので。ただ、皆さんはそうは行かないので』って、蝶ちょさんが
『ねぇ、望君。知っているんでしょ、入り口』って、ここに来て、直球ストレートの愛ちゃんが言うと、
『望、知っていることは、みんな言っちゃった方がいいよ、みんなに。智ちゃんが元ちゃんと一緒ってことは、安全だってことだから』って、ボス猫さんが言うと、望君は少し考えてから、
『入り口は、あるにはあるんだけれど、外からは開かないんだ。要するに、モンスターの意思で開くんだ。だから、僕らからはどうすることも出来ないんだ、ほんとうに。蝶ちょさん見たいに、小さければ欠伸やくしゃみで中に入ることは出来るんだけれど、僕らには無理だよ。トーテムポールに穴を開けない限りは、そんなことは出来ないだろう』って、望君が
『外からは開けられなくても、とにかく入り口がどこかは分かるんだよね、その場所を僕らに教えて。リッちゃん、愛ちゃん、やるか』って、アッちゃんが
『望君、愛ちゃんたちが只者ではないことを教えてあげる。案内して』って、愛ちゃんがどくだみの水鉄砲を手にして言うと
『あの心配なことが、一つあるんだ。智の手のひらには、あざがあるんだ。一つは、猫の足跡みたいなのと、もう一つがレッドポイズンの花のマークなんだけれど、モンスターを刺激すると花のマークが手のひらで、爆発する恐れがあるんだ。それが、どうしても気になって』って、望君
『アッちゃん、どう。僕、ずっと元ちゃんにテレパシーを送っているんだけれど、上手く行かないんだ』って、リッちゃん
『リッちゃんもか、僕なんだ。こんな時、通じないなんて』って、アッちゃん
『空君、空君、元ちゃんと連絡取れないの。それで、愛ちゃんたちに教えて、智ちゃんの手のこと』って、愛ちゃんが言うと
『僕らが、トーテムポールを攻撃しても大丈夫な時に、リッちゃんのお尻をこつんと一発』って、アッちゃんが
『えっ、僕。ああ、いいよ。分かった、僕に一発、空君、早く確かめて』って、リッちゃん
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