愛ちゃんは、僕の後ろを歩いている、だから僕が少し足を滑らせたりすると
『ワー、見ちゃった、元ちゃんが足を滑らせた。猫さんなのに』って、
僕は、心の中でつぶやく
『僕は、子供の頃からお母さんにいつも、危険なことはしてはいけないとか、高いところに上がったりしてはいけないって、言われて育って来たからちょっと普通の猫さんに比べると、運動神経に少しだけ問題があるだけなんだ。他は、問題ないんだから』って、そして、僕は、愛ちゃんの言葉を無視して、何事も無かった顔をして、先を歩く。前足と後ろ足の肉球に、全神経を集中させて、そしてそうして歩くとその歩き方が、また可笑しいらしく、僕の後ろで愛ちゃんはクスクス笑いながら、歩いて来るんだ。僕が振り返って、睨むと
『元ちゃん、ちゃんと前を向いて歩かなきゃあ』ってね。
僕ら、ボス猫さんの案内で、ゲーム機の中を歩いているんだけれど、なんか妙なことに気がついた。僕はアッちゃんに
『アッちゃん、なんか僕たちさっきから同じところを、歩いているような気がするんだけれど、僕の勘違いかな』って、テレパシーを送ると
『僕も、元ちゃんに聞こうと思っていたんだ。やっぱりそうだよね。これって、ボス猫さんに僕ら騙されているのかな。外にいる、空君は気が付いているかな』って、
『もう少し、様子を見てみよう。空君は、どうかな、気が付いてくれているかな、ずっとゲーム機の画面を見ていると思うんだけれど』って、僕
僕とアッちゃんが、テレパシーでそう話していると、愛ちゃんが
『ねぇ、ボス猫さん』って、愛ちゃんがボス猫さんに声をかけると、毛で覆われているから顔色は定かじゃないけれど、多分青くなっていそうな表情で振り返ったボス猫さんは、声を上ずらせて
『おかしい、道を間違えたはずはないんだけれど、同じ道に出てしまう。俺は、騙したりしていない、絶対に』って、
『そうじゃなくて、愛ちゃんが聞きたいのは、ボス猫さん、愛ちゃんの肩にとまっている、蝶ちょさんのこと知っている』って、聞いた。
ボス猫さんは、
『えっ、蝶ちょ』って言って、愛ちゃんの肩にとまっている蝶ちょを見て何か言おうとした時に、
『その猫は、私の友達をお家に閉じ込めたの。私の友だちは、お家から出られないの』って、蝶ちょさんが言う。
『ああ、その通りだよ。本当に悪いことをしたと思っている。あの親子もお爺さんやお婆さんにも、悪いことをしたと思っているよ。だから、この猫さんとこの女の子とこの犬さんを、あの家まで案内してあの人たちをこのゲーム機の中から、助け出しに来たんだ。そうしたら、あの家までの道が分からなくなってしまったんだ』って、ボス猫さんが、今にも泣き出しそうな顔をして言った。
『ねぇ、あなた達は、この猫のことを信じているの』って、蝶ちょさんが聞いてきた。
『うん、信じているよ。ボス猫さんは、反省している。ゲーム機の中に入ってきて、モンスターに見つかったら、自分の命も危険なことを覚悟して僕たちを案内しようとしているんだから。蝶ちょさんは、あの家を知っているの』って、僕は聞いてみた。
『あなた達は、どこから来たの。もしかしたら、天界から来たの』って、蝶ちょさん
『そうよ、愛ちゃんも元ちゃんアッちゃんも、天界から来たの。蝶ちょさんは、どこから来たの』って、愛ちゃんが蝶ちょさんに尋ねると
『私は、天界に逝く途中だったの』って、蝶ちょさん
『天界に逝く途中ってことは、その途中でゲーム機の中に入ってしまったって言うこと』って、アッちゃんが聞くと
『そう』って、悲しそうな顔をして、蝶ちょさんが言った。
続きはまた