ドアの向こうで、ボス猫や護衛をしていた猫たちの笑い声が聞こえてきた。

夢ちゃんの目には涙が、その涙の奥にはメラメラと悲しみの炎が、多分怒りの炎よりも悲しみの炎の方がより強い感じがした。夢ちゃんが

『こうなることは、夢、うすうす感じていたんだ。でも、サブちゃんや公園のみんなと出会ってから、信じることも大切なんだって知ったから、だから信じたのに』って、悔しそうに言うから、愛ちゃんは、そっと夢ちゃんを抱きかかえて、優しく抱きしめながら

『夢ちゃん、忘れよう。みんなが、ボス猫やボス猫の仲間じゃないんだから』って

『そうだよ、さあ、行こう。二人とも背中に乗って』って、リッちゃん

『ねぇ、もしかしたら、夢は初めからボス猫に、騙されていたんじゃないのかな。夢は、お母さんが亡くなって捨てられて、この公園に初めて来たときに、ボス猫が夢に言ったことがあるの。約束は守るためにあるんじゃなくて、破るためにあるんだって。そのことを、サブちゃんや長老猫さんたちに言ったら、そういう猫も居るかもしれないけれど、自分達は守るために約束をするんだよって言われたの。その時、お母さんが優しいいい子に育ってね、嘘をついちゃいけないのよ、約束って言っていたの思い出した。この公園にいた時は、心も体もズタズタだったから、誰も信じらなかったし、約束って言う言葉も忘れていたの。あっ、こんなことってない、ボス猫は悪魔に心を売った、モンスターになっているって言うことは』って夢ちゃんが言うと、その言葉に反応して愛ちゃんが

『中毒になったって言うのは、嘘で夢ちゃんたちを騙したってこと。そうすると、なんとなく話しが繋がるのかな。ここの公園に、ビニールハウスやレッドポイズンの花を、植えていた人たちの洋服があったって言うの』

『ありえなくはない。そうだとしたら、大変だ、急ごう。みんなの後を追いかけよう』って、リッちゃんが

『まるちゃんたち、大丈夫かな』って、夢ちゃんが心配そうに

『うん、大丈夫だよ。どんなにボス猫たちが早くても、僕たちには敵わないよ。出発』

リッちゃんの背中から、下を見るとボス猫やその仲間がすごい勢いで、まるちゃんたちの追いつこうとしている。何も知らない一番後ろを護衛している、ボディーガードの猫さんが、大きな声でまるちゃんに

『ボス猫さんたちが、追いついてきそうです。待ちましょうか』って、聞いてきた。

『そうだね、お年寄りの猫さんたちは少し休んだ方が良いだろうから、ここで待とう。皆さん、ここで少し休みましょう』ってまるちゃんは言いながら、今、歩いて来た自分達の道を、すごい勢いで来るボス猫たちを見て何か嫌な予感がしたのと、夢ちゃんの姿が見えないことに気がつき、

『いや、みんな急ぎましょう。休憩は、もう少し先にしましょう』って、大きな声で

その急ぎましょうという言葉に、みんな動揺を隠せない様子で騒ぎはじめた時

『みんな、まるちゃんの言うとおりにしましょう』って、優さんが言うと

『そうね、急ぎましょう』『お婆ちゃん、大丈夫』とか『足元気をつけて』とか『もう、少し頑張りましょう』って言う声が、みんなの中から

先頭を歩いているまるちゃんのことろに、優さんが駆けてきて小さな声で

『夢ちゃんが、見えなかったけれど、何かあったのかしら』って

『シー、みんなは気がついていないと思う。大丈夫、夢ちゃんには、リッちゃんと愛ちゃんが付いているから』って、まるちゃんが言うと

『リッちゃんと愛ちゃんって』って、優さん

『うん、僕にも見えないんだけれど、夢ちゃんやサブさん、サブさんのことは知っているでしょう、僕らのリーダーなんだけれど、あの二人には見えているんだ。それと子猫さんたちは、何か感じていると思うよ。すぐに集まって来たでしょう、それにいうことをちゃんと聞いている。夢ちゃんが子猫さんたちのことは、愛ちゃんがちゃんと良い子でいるように話してくれるからって言ったいたから』って、まるちゃん

『リッちゃん、夢ちゃん、ねぇ、向こうを見て、港の方。猫さんたちの集団だよ。あれは元ちゃんとサブさんと雄猫さんたちだよ。きっと』って、愛ちゃん

『そうだ、サブさん、雄猫さんたちを説得できたんだ。良かった』って、リッちゃん

『夢、サブちゃんに謝らなければ』って、

『夢ちゃん、そんなことより、サブさんたちと合流するまでみんなを守らなければいけないんだよ。さぁ、夢ちゃん頑張って、ここで降ろすよ』って、リッちゃん

愛ちゃんが、夢ちゃんのおでこに優しくチュって、そして腕から降ろした。夢ちゃんは振り向くことなく、雌猫さんたちの中を走り抜けて、まるちゃんと優さんに先頭まで、一目散に


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