夢ちゃんの鳴き声は、ボス猫たちに聞こえているはずなのに、なかなか来ない。この公園にも隊長さんの部下の人たちが、向かっているからそんなにのんびりとしていられないのに、夢ちゃんはもう一度、早くしてという気持ちを込めて

『ギャオー』って、天に向かった鳴いた。それでも、ボス猫たちは来ない、夢ちゃんは

まるちゃんと夢ちゃんに優しかったさっき子猫さんの数を、数えてくれた猫さんを呼んだ。そして

『これ以上ここで、集めた猫さんたちを待たせるわけには行かないの。子猫さんたちが騒ぎ出すと、人間が家から出てくるかもしれないし、もうそろそろここを、調べる人たちが来るころだと思う。まるちゃん、みんなと優さんとでここの猫さんたちを、私たちの公園に案内して、公園に着いたら長老猫さん達が、この猫さんたちのことをどこで落ち着くといいのかを考えていてくれるから。私はボス猫を』って、夢ちゃんが言うと、集まっている雌猫さんたちは口々に

『ほっておけば良いよ』『あいつがいると、夫は・・・』とか『ウ、ウ、ウ、』って、泣き声も、そして優さんが

『夢ちゃん、みんなの気持ちは分かっているんでしょう。みんな、恐れているんだよ。あいつとあいつを囲んでいる猫たちは、夢ちゃんたちの公園に行ったら、絶対に乗っ取ろうとするよ。助けてもらった恩なんて、あいつには、関係ないっていうのは夢ちゃんだって知っているだろうに。どうして、助けようとするの』って、

『そうね、そうかもしれない、夢もみんなと同じ考えを公園のみんなに言ったの。でも、公園のみんなは、そうなったらそのときに考えようって、今はあの花の毒のことだけを、あの花の毒から一匹でも、一羽でも、一人でも、とにかく命を守ろうって。ここの公園も、いつか私たちの公園のように、温かくてどんな猫にも、どんな生き物にも優しい公園になるといいね。きっとそうしてくれるリーダーが、ここの公園にも出てくよ。さぁ、まるちゃんに付いて優さんも、早く行ってください。時間がありません』って言いながら、まるちゃんに早く出発するように合図した。

『リッちゃん、愛ちゃんみんなに付いて行って、夢はもう一度ボス猫のところに行って、早くするように言ってみる』って、夢ちゃん

『いや、みんなのことは、まるちゃんと優さん、それにボディガードの猫さんたちで大丈夫だよ。それに、子猫さんたちは、愛ちゃんにしっかりと教育されたから、どこかにチョロチョロッて言うことはないらしいよ。だから、僕と愛ちゃんは、夢ちゃんとボス猫さんのところへ。しかし、ボス猫さんは、相当みんなに嫌われているんだね』って、リッちゃん

『うん、レッドポイズンで中毒を起こしたすぐの時は、心を入れ替えたみたいだったんだけれど、本当はどうなのかな』って、夢ちゃんが顔を曇らせた。そして

『夢、公園のみんなに、迷惑を掛けてばかりで』って、

『公園のみんなは、そんなこと気にしていないよ。それに今度のことは、誰の責任でもない、モンスターが仕掛けてきたことなんだから。サブさんも付いているし、僕らも付いているんだから、何も心配しなくていいんだよ』って、リッちゃん

『そう、心配ないよ。まぁ、今、心配なのは、ボス猫さんが素直に移動してくれるかだけだよね、リッちゃん』って、愛ちゃんが

『あっ、着いた』って、夢ちゃん。

夢ちゃんは、つかつか小屋の中に入った。小屋の中には、誰も居ない、ボス猫が今まで寝ていた藁の上は、まだ猫の温もりが残っていた。周りを見渡していたら、ガチャって、ドアに鍵がかけられる音がした。

『やっぱり』って、心の底から悲しみと怒りがこもった夢ちゃんの一言。


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