『ああ、なんとなく感じているさ、俺達だって。だけど、他所に行くところなんかないんだ。ここに居れば、餌にありつける。そんなところが他にあるか』って、老猫さん
『そうだよ。僕のいた公園のボス猫みたいに、毒を食べて中毒を起こしてしまう。そして、情けないことに前に虐めていた猫に助けられたりして。そんなところには帰りたくない。それに、知らないところに行って、虐められるのは嫌だ、やっとここに慣れたのに』って、気の弱そうな猫さん
『そうさ、あの毒の花以来、安心して食べるものがないんだ』って、多くの猫さんたち
『食べ物が無くて困っているのは、みんな同じだよ。みんなが置き去りにして来た、雌猫さんだって、子猫さんたちだって、でもみんな頑張っているよ。いろんな不安を抱えながら、気の弱そうなそこの君、君の公園のボス猫さんだって、雄猫さんたちがみんな居なくなってしまった後を、残された雌猫さんたちや小猫さんたちを、守るのに力を貸してほしいって、僕に言ってきた、凄く勇気がいったと思うよ。そんなボス猫さんのことを、何も知らないのに』って、サブさんは悔しくなってきた。
『サブさん、今は怒らないで、ここにいるみんなを、助けることだけを考えて』って、僕
『毒の花は、僕らも人間も一生懸命に退治している。ここに餌を持ってきている人間は、毒の花に関係しているんだ。本当に、ここは危険なんだ』って、サブさん
『ボス猫の公園のみんなは、元気にしているのか。子猫たちも』って、中年の猫さんが聞いてきた。
『ええ、みんな元気にしています。ただ、あそこの公園で、毒の花に関係がある物が見つかったので、しばらくはみんなを引越しさせるんだけれどね。そんなこともみんな、ボス猫さんが頑張っている。みんなは、平気なんですか、自分達の奥さんや子供、お母さんをほっておいて。お願いです、みんなの手で自分達の家族や公園を守りましょう。ボス猫さんだけじゃなくて、他のリーダーの猫さんたちも、みんな頑張っているんです。みんな、今日を生きていくために、そして未来を夢見ている子供達のために、ここでいつ自分の蝋燭の炎を消されるかを、餌をもらいながら待っているのではなくて』って、続きを言おうとしているサブさんの言葉にかぶるように
『五月蝿い、お前に何が判る。今更、元の住処に帰れるか、あのボス猫が自分達を許すものか。知っているんだろう、夢がどんな虐待を受けていたか。俺が、ボス猫に良い匂いのする花を見つけましたって言ったんだ。隠れて、自分が食べたところを告げ口されると、何をされるかわからないから、そうしたらあの花、毒だったなんて俺は知らなかったんだ。あのまま、ボス猫が死んでいたら、俺だって家族を置いて逃げたりしなかった。あのまま居たら、どんな目にあっていたか、俺の家族だってそれが分かっているから、すぐに公園から逃げるようにって。子供が小さいから、もう少し大きくなったころに迎えに行くんだ』って、思い詰めた顔をしている猫さん
『ボス猫さんは、今までしてきたことを反省しているよ。僕と約束したんだ、以前のように、みんなのことを虐めたり虐待したら、僕が絶対に許さない。ここに来るには、みんなそれぞれに理由はあるだろうけれど、でも、ここは安心できる場所じゃないよ』って、サブさんが言う
『お前なんかの言うことは、信用できない。何の力もないくせに、ボス猫が元気になったら、お前の言うことなんか聞くわけがない』って、初老の猫さん
『サブさん、廊下にある机を動かすから、適当に何か言って』って、僕
『分かった、言うよ』って、サブさん
『僕に力があるか、ないか、こんなんじゃ、どうかな』って、サブさんの言葉に合わせて、僕は廊下の机を動かした。
集まっていた猫さんたちは、図書室には入らずに廊下に居たのでみんな
『ウギャ』『ニャギャ』『ギャニャ』って、なんだか訳の分からない鳴き方をした。そして、軽い放心状態になっているみたいだ。中には、あまりの驚きで腰が抜けている猫さんも居る。それが、少し落ち着いてきたら
『フー』『何だったんだ』って、ざわめきが
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