歩いて5分ということは、本当にすぐそこって感じだ。
『アッちゃん、見て、倒れている人が居るよ。もしかしたら、朱音ちゃんのお父さんかもしれないよ。降りよう』
『そうだよ、きっと、おじいさんの家に行く途中で、レッドポイズンの匂いにやられたんだ』って言ってアッちゃんが、うつ伏せに倒れている朱音ちゃんのお父さんを、仰向けにしたらお父さんは、しっかりと口を押さえるようにしてどくだみの花束を抱えていた。アッちゃんがお父さんの胸に耳を当てると、弱弱しいけれど絶対に死なないという意志が伝わってきそうな、鼓動が聞こえてきた。
『元ちゃん、大丈夫だよ。朱音ちゃんのお父さん、どくだみの花に守られていたよ。しっかり口と鼻を押さえている、きっと空気が花で洗浄されていたんだよ。だから、苦しいけれど何とか頑張っていたんだ。お爺さんの家まで、連れて行こう』って
『うん、うん、良かった』って、僕とアッちゃんは、朱音ちゃんのお父さんを銜えてお爺さんの家のドアの前まで連れて行き、ドアをノックした。窓からからお爺さんとお婆さんが、心配そうに外を覗いている。丁度角度的に、倒れている朱音ちゃんのお父さんが見える、お爺さんとお婆さんが慌ててドアを開けて、お父さんを家の中に引き入れた。お婆さんは、布団を敷きお父さんを寝かせて、お爺さんはお父さんの手からどくだみの花束を取って、人工呼吸を始めた、元々微かに息をしていたので、すぐに大きく息が出来るようになった。少しすると、目も明けることも出来た。
『ううう、あっ、お爺ちゃんにお婆ちゃん』って、
『ああ、気が付いたか』って、お爺さんが
『一体全体、どうなっているんだ。電話も繋がらないし、家の周りから少し離れると苦しくなって、お前の家に行こうと思ったけれど行けなくて、どうしたものかと思っていた。朱音とお母さんはどうしている、それにジュネは』って、お爺さん
『そうよ、食べ物も底をつきそうで、朱音はお腹を空かせているんじゃないの』って、お婆さんがお父さんにお水を持ってきた。
『ああ、みんな何とか、それより僕は、どうやってここまでたどり着いたのかな。どくだみで口を押さえながら、来たんだけれど途中で気が遠くなって倒れた気がしたんだけれど。何かにズリズリと引っ張られたような気がしたんだけれど』って、お父さんは言いながら、腕を見ると擦り傷が
『今、薬と持ってくるから、待っていなさい』って、お婆さん
『普段の時と違うから、しっかりと消毒をしてどくだみの煎じたのをぬっておきましょう。これから、どうなるのかね。村の外には出れないのかい』って、お婆さん
『みんな、どうしているんだろう。いったい、あのビニールハウスの人達は何者なんだ。ビニールハウスのお前の友達は、どうしたんだ見つからないのか、あそこの家にも、朱音と同じ位の子供がいたけれど』って、お爺さん
『風ちゃんのお父さんと、捜したんだけれど見つからなかった、そうしたらそのうちに、外に出ることが出来なくなってきて』って、お父さん
『元ちゃん、朱音ちゃんのお父さんは、大丈夫だね。しばらくは、お爺さんの家から出ないと思うよ。他の家を見て回ろう』って、アッちゃん
『そうだね。あと何人くらいの人が無事なのか確認しよう。それと、どくだみがレッドポイズンの解毒剤になるかもしれないことも、リッちゃんに知らせるよ。隊長さんに伝えてもらおう』って、僕
『すごい力だよ、どくだみは、朱音ちゃんのお父さん助かったもの。きっとあそこで長い時間、倒れていたと思うよ』って、アッちゃん
僕らは、そんな話をしながら、次のどくだみに囲まれている家を探した。
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