僕らが家に着いたのと同時くらいに、アッちゃんのお母さんのれいちゃんが
『こんばんわ、おじゃま、リッちゃん』って、言いながら、家って知ったる我が家って感じで、遊びに来た。本当にすれすれ、リッちゃんが丁度、自分の中に入った直後だったから、なにしろ、れいちゃんの場合は、言葉と体が一緒にやって来るわけだから焦ってしまう、寝ぼけた感じに
『ワン、ヮ-ン』って、なんだかへんな吠え方をしたけれど、これがその時の間にぴったりだったので、お父さんもお母さんもれいちゃんも、一言
『リッちゃん、寝ぼけていた、それともボケた』って、リッちゃん的にはムッとしていた。でも、れいちゃんが
『リッちゃん、はい、お土産』って言って、袋の中に入っていてもすごーくいい匂いのする、お土産をくれた。中身は、病院に行く途中にある、自家製のドックフードを作っているお店の馬肉だ。リッちゃんは
『れいちゃん、ありがとう。大好き』って、言いながられいちゃんをペロッて
『どういたしまして、りっちゃん。元気でいてくれればいいの。リッちゃんの仕事だから、食べることも』って、言いながら、頭を撫でられ、体を点検するように触られていた。れいちゃん、人間のナースだから。
アッちゃんは、顔をくしゃくしゃにして、この様子を見ていた。そして
『お母さん、お母さん、僕、ここのいるんだよ。お母さん、元気そうだね、でも、少し太ったみたいだよ。僕が星になってから、淋しいからって言いながら、いっぱいビール飲んでいるんだろうな。僕が星になってから、散歩もしていないんだろうな。お母さん、やっと顔が見れた、僕はもうどこも痛くないんだよ。走ることも、飛ぶことも出来るんだよ。お母さんを乗せて、飛んでみたいな』って、アッちゃん。そして、空君と愛ちゃんに
『僕のお母さんだよ。小さいけれど、怒ると怖いんだ、普段はすんごく優しいんだけれど』って、紹介していた。
『なんか最近、妙なの事件って言うか、昨日の男の子の見た、あの水族館のトンネルみたいなの、この世のものではない。この前のカラスとハトも、なんだか分けわかんないし』って、れいちゃん
『そうそう、まぁ、何はともあれ昨日の男のこと犬達は、無事で良かったし、カラスとハトにしても消えたのは納得いかないけれど、何事もなかったからよしとするしかないよ』って、お母さん
『今日は、休み』って、お父さん
『夜勤明けで、明日が休み、なんか久しぶりにリッちゃんの顔が見たくなって』って、れいちゃん
『あんまり、くっ付くとリッちゃんのスメル攻撃があるよ。最近特に口臭がきついよ、しょうがないのかな。歯石もすごいし、何しろ歯を磨かせてくれないし、何年も前から、ガムは丸呑みしちゃって、消化不良を起こすから禁止されているし。このごろ、歯槽膿漏らしくて、硬いフードはなかなか食べてくれないし、ねぇ、リッちゃん』って、お母さん、余計なことをれいちゃんに言わなくてもいいのに。
『しょうがないよ、年なんだから。でも、こうしているだけでいいんだから』って、れいちゃん
『そうなんだけどね、我が家の星だからリッちゃんは、まだまだ、頑張ってもらわないと』って、お母さん
『ねぇ、そのカラスとハトのとき、公園を窓から見ていたの。なんか、ニュースは全然動きがなかったじゃない。で、公園を見ていたら、どう見ても一匹リーダーぽい猫さんがいるのよ』って、お母さんが、間違いなくサブさんを指して言ってるんだけど
『そんなことはない。あの猫は、ただの野良だって』って、お父さん
『いいじゃない、私にはリーダーに見えているんだから。れいちゃんに教えてあげるんだから』って、お母さん
『何よ、どうしたの』って、れいちゃん
『それが、あの日、そこの公園すごかったの。色んな動物の移動が、ざわざわして。でも、微妙に統制が取れていて、ケンカなんかもなくて、一番驚いたのが、何日か前からカラスとハトが少しつづいなくなっていたの。そうしたらあの日、突然カラスが現れ、次にハトが現れたというか、帰ってきたのよ。その時の様子がね、帰ってきたカラスもハトも、なんとなく動揺しているって言うか脅えているって言うのか、とにかくそんな感じがしたのよ、私には。それで、その動揺なのか脅えているのか定かじゃない感じの、カラスとハトのことを公園にいた動物が守っているように見えたの。ほら、はじめは海上で、攻撃するみたいなことテレビで言っていたじゃない、だから人間から守ろうとしていたのかな。それでその時、窓から公園を見ていたら、よく散歩の時に見る猫さんなんだけど、茶とらの長毛の子なんだけどね、その子がなんとなくリーダーぽく、指示しているように見えたのよ』って、お母さん
『ほんとは、偶然なんだ。勝手にそう思っているだけなんだから』って、お父さん
その話を聞いていた僕らは、
『サブさんは、頼もしいね』って。そして、僕は思った、さすがお母さん、僕が地上の住民の時は、自分の守護神は猫、そして、今は僕のことを守護神と信じている、そんなお母さんだから、サブさんがリーダーだって分かったんだと思う。
『へーえ、猫がね。私はね、近所の犬の様子がね、ちょっと・・・』って、れいちゃん
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