僕らは、色んなこと話したいと思ったけれど、今はとにかくこのハトの子供の大群を、お母さん達が待っている公園まで届けなければって。今回はどうだろう、前回のハトさん達の時のようにオリーブが力を貸してくれるかな。あー、今回は僕らだけで大丈夫みたいな感じだ。そんなことを思いながら、進み始めると、
『おかしい、ハトの大群が消えている。カラスのときと同じだ』
『子供のハトの大群が、突然消えた』
『何が起きているんだ。ここの上空で一体何が起きているんだ』
聞こえる、大きな声が、みんな色々と叫んでいる。
『ハトが消えた、ハトが消えたよ、肉眼からもレーダーからも、一体どう言う事だ』
『私達のやり方が悪かったというのか。カラスもハトも何故なんだ』
『私達は夢でも見ていたのか。レーダーの記録には残っているはずだ。早く、分析を』とか、言う声が遠くの方で聞こえている。
僕らは、順調にハトの子供達を運んでいる。僕は、何気なしに子供のハト達が重なり合っている隙間に目が行った。ほんの微かな隙間から、見えたのは間違えなくモンスターハトさんとピンクのモンスターハトさんだ。さっき、僕らと別れて、南の島へ向かったモンスターハトさんとピンクさんだ。きっと、子供達の安全を一生懸命に祈っていたので、その心が子供達を僕らと一緒に運んでいるんだと思う。強く願っていると、もしかしたら願いが通じることがあるのかもしれないと思った。そうだ、時々、一生懸命に祈っていると、本当に願いが叶うときってある、僕が亡くなるとき、どうしてもお母さんにもう一度会いたいと、もう一度だけお母さんに抱かれたいと、強く願っていたら会えたから、お母さんの腕の中で蝋燭の炎を静かに消すことが出来たから。二羽のハトさん達は、この子達の未来を、平和で明るいものにしたかったんだ。こうして、この子達を、そしてこの子達の子孫を、多くの生き物を遠くから見守っていくんだろうな。って、ことを思って同じ場所にもう一度、目をやったときには、もう二羽のハトさん達の姿は、そこには見えなかった。もしかしたら、初めから居なかったのかな、僕の思い違いかな。うん、無事に帰ってくることが出来たから、良しとするか。
カラスやハトの大群に向かってきた時は、凄く遠く感じていたけれど、帰りは随分と早く感じがした。公園では、みんなが心配そうに、空を見ている。何羽かのハトさん達がランドマークのように空を旋回している。下では、まだ、会ったことはないけれど、多分そうかな?あの猫さんはきっと野良猫のサブさんだろうと思える猫さんが、尻尾をピーンと立たせて、そう、人間で言うと敬礼をしているように、僕らを待っている。アッ、そのサブさんであろう猫さんの隣に、リッちゃんがいた。
一斉に、みんなからテレパシーが送られてきた
『お帰りなさい』
『無事で何より』
『心配していたんですよ』
『お疲れ様でした』
『ありがとうございます』とか、あっちこっちで色んな労いの言葉が
ハトさんが旋回しているところまで来てから、子供のハトさん達を愛ちゃんの叫びのパワーから、解いてもらうことにした。僕も、アッちゃんも、リッちゃんも、空君も、パワーではなくて呪いだと思っているんだけれど。愛ちゃんは、僕らのほうを何か確認でもするように見て、大きくうなづき、両手でパシパシって手を打ち、僕らの予想に反して、優しい声で
『もう、いいよ。起きて、みんな、目を開けて』って、
子供のハトさん達は、次々にみんな目を開けて、それぞれに自分達の親を捜している。
続きはまた![]()