カラスの子供達を運んだ時は、僕は参加していなかったので、

『元ちゃん、そっちの角を宜しくね。子供達を起こしちゃ駄目よ。うるさいんだから、目を覚ますと』って、愛ちゃんに、注意された。こういう時の、女子は妙に大人だ。

『分かった、気をつける』って、僕

空君が、手を止めて、モンスターハトさん達が飛んでいった方を見ながら

『これから、ピンクさん達は、ずっと生き続けるんだ。なんだか、辛いね。生きていくことは、嬉しいことだけど、終わりがないって。でも、あの二人はきっと、ずっとこの地上が平和でありますようにって祈っていてくれるね』って

『うん、そして、自分達と同じ過ちを起こす生き物が出ないように祈ってくれるよ』って、アッちゃんが

『でも、本当になくならないね。悲しいけれど、みんな、モンスターのせいなの』って、空君が

『んーん、難しい質問だな。生き物は、みんな自分勝手なところがあるから、空君だって僕らだって、地上の住民だったころは、そうだったと思うよ。友達と喧嘩なんかしてただろう。僕とリッちゃんだって、昔は顔を合わせると必ず、喧嘩していたんだから。今が、不思議なくらいだよ』って、アッちゃんが

『そうなの、仲悪かったの。でも、今は、仲好しだから、いいよ』って、愛ちゃんが

僕は心の中で、ママやマザー達に話しかけていた

『本当に、これで良かったんですか。僕の選択の中には、モンスターハトさんとピンクのモンスターハトさんを、粉々にすることも出来たんじゃないんですか。あの二人には、そのほうが良かったのではないんですか。永遠の命って、本当は辛くないんですか。いくら、二人だからといっても』って、ママやマザーの答えの代わりに

『きっと、すぐに森の妖精になって、二人で平和を祈ってくれるよ。モンスターは次から次に、新しいモンスターの化身になりそうな獲物を狙っているから。狙われているのは動物だけじゃないだろうし、人間がモンスターに狙われるのが、一番怖いよね』って、アッちゃんが

『人間が、モンスターの化身になったら、人間がモンスターに操られたら、愛ちゃんのお母さんみたく、子供を育ててくれなくなってしまうの。愛ちゃんみたいに、大人になれずに、何も経験することなく、蝋燭の炎を自分の親に消されるの。色んなところで、人間が人間を殺すの』って、泣きながら愛ちゃんが、子供のハトさん達を見ながら、誰に言うというわけでもなく言った。

『愛ちゃんの、お母さんはモンスターなんかじゃないよ』って、僕もアッちゃんも空君も、大きな声で言った。

『フン、フン、ありがとう、みんな。でも声が大きいよ。早く、帰ろうよ。リッちゃんが、待っているよ』って、愛ちゃん

僕はアッちゃんと空君のほうを、こうごに見た、アッちゃんも空君も僕の方を見て、お互いに目に涙をためてニッコリと笑った。

僕は、モンスターハトさん達のことは、心の奥の奥にしまうことに。そして、子供のハトさん達を運ぶことに専念することにした。多分、みんなもそうだと思う。

僕らは、忘れていたんだけれど、空には自衛隊のヘリや海には船が、もうそこまで来ていた。絶対、不思議に思っていただろうと思う、カラスの大群もハトの大群も、次々と消えていくんだから。僕らの姿は、人間に見えないけれど、カラスの大群とハトの大群は、人間に見えていたわけだし、海で眠っていたハトの大群は、レーダーなんかにもはっきりと映っていたわけだろうから、驚きは半端ではなかったと思う。そして今、目と鼻の先にいる、子供のハトの大群は、これから消えるんだから、これはこれでパニックになるかもしれない。自衛隊の後ろには、マスコミのヘリや船が付いて来ているから、ニュースで流されるんだと思う。多分、僕らは、そのニュースを見ることが出来るんだ。


              続きはまた天使