カラスの大群との戦いは、どうにか終った。何の関係もない、カラスがたまたまモンスターがカラスに化けたと言うことだけで、大切な命をたくさん亡くしてしまった。

カラスって、あんまり好かれていないのは知っているけれど、一つの命の重さはみんな同じだと思う。

そんなことを思っていると、もうそこまでハトの大群が来ているし、あー、空君や愛ちゃんには、まだ見えていないけれど、僕らには感傷に浸っている時間も、そうそう休んでいる時間はないらしい。

それでも、リッちゃんはこの少しの時間を無駄には出来ないっていう感じで、よいしょって寝返りを打ち直していた。そうそう、お母さん達に、心配をかけないように。

僕は、そんなリッちゃんを見ながら

『リッちゃん、お腹は空いていない。僕らは、平気だけど、りっちゃんは今朝、朝ごはん早かったし、大丈夫。まだこれからハトの大群と、戦わなければいけないんだけれど。そう、どうしようかな、気のもんかもしれないけれど、リッちゃん、ペンダントの涙を一滴舐めておいて、きっと、多分お腹が満たされると思うよ』って、僕が言うと

『うん、ちょっと実は、少しほっとしたら空いてきた』って、リッちゃん

『そうよ、涙、舐めてみるとお腹がいっぱいになるかも』って、愛ちゃん

『そうだよ。ペンダントの涙は、僕らが困っている時いつも助けてくれるから』って、空君も

『確か、僕たちは、ほとんどお腹が空くことはないけれど、もしもの時はって言うの聞いたことが、あったような気がした。リッちゃん、舐めておいた方がいいよ』って、アッちゃんも

その間に僕は、さっきモンスターカラスに傷つけられたところを舐めて消毒していた。傷は思ったほど深くない。

みんなが、心配そうに僕のことを見ている

『元ちゃん、痛くないの、血が出ている』って、空君と愛ちゃんが

『舐めたら平気だよ。僕たち、動物にはそういう力があるんだから』って、僕が言う。

ペンダントの涙を、舐め終えたリッちゃんが

『アッ、なんかお腹がいっぱいになってきたような気がする。元ちゃん、僕が舐めてあげる、猫の舌より僕ら犬の舌の方が痛くないから、ちょっといい』って言いながら、リッちゃんが僕の傷を舐めてくれた。

僕が、リッちゃんに舐めてもらっている間に、アッちゃんは目を閉じて瞑想でもしているようだ、きっとエネルギーを溜めているんだろう。

空君、愛ちゃんは、大きくしたサッカーボール、ブーメランをとりあえず元のサイズに、大きいままでの移動は大変だから。

『ありがとう、リッちゃん。もう、大丈夫だよ。よし、みんな次の準備が出来たら、出発しよう。後ろから来ている人間に、追いつかれてしまう』って、僕

『そうだ、元ちゃん、空君と愛ちゃんにまだ言ってなかったでしょう。子供のカラス達が無事に公園に着いて、お母さん達を待っているって。猫さんも犬さんも他のいろんな動物なんかも、子供のカラス達を守っているって。あのサブさんからのテレパシーは、僕らにしか伝わらないから』って、アッちゃんに言われて

『そうだ、言うの忘れていた。ごめん、そうなんだ、無事に着いたんだ。お母さん、お父さんが亡くなってしまった子も、たくさんいると思うけれど、きっと生き残った大人のカラス達が面倒を見てくれると思うよ』って、僕

『ワー、よかった。これで、なんか一つは、終ったんだよね。亡くなってしまったカラスさん達には、気の毒だけれど』って、愛ちゃんはよかったと言いながら、なんか淋しそうな顔で。

『カラスさん達、自分達の仲間を殺してしまった人間のこと恨むんじゃないかな』って、空君

『それは、大丈夫だと思う、地上の仲間達がカラスさん達に、詳しい事情を話してくれているよ。僕だって、家で寝ている自分に返って、散歩に出たときにカラスさん達に説明するもの』って、リッちゃん

僕らは、こんな話をしながら、次のハトに化けたモンスターを迎え撃つために前へ進んだ。

『今回は、モンスターカラスが自滅してくれたから良かったけれど、ハトの場合はわからないよ。みんな気を引き締めて、行こう』って、僕

そして、僕らは、亡くなったカラスさん達が無事に天界へ行けますようにって、祈った。

 

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