生き残ったカラスのお母さん達の鳴き声が、空気を伝わりカラスの子供達の耳に聞こえてきたみたいだ。無表情だったカラスの子供達の顔に、少しつづ変化が出てきている。

カラスのお母さん達の思いが、子供のカラスにきっと伝わっているんだろう。生き残ったカラスのお母さん達は、命を亡くしてしまったカラスのお母さん達の分まで、鳴いているんだと思う。きっと、自分の子供だけではなく、ここにいるカラスの子供達全てを助けようと必死に鳴いているんだと思う。そんな思いが、子供達に伝わらない筈がない、少しつづ子供らしい顔になってきている。

そんなカラスの子供達の動きに、巨大なモンスターカラスが露骨に嫌な顔をした。そして、カラスのお母さんたちが空気を伝わらせて、自分達の鳴き声を子供達に伝えることを、邪魔しようと妨害バリアを自分と子供のカラスの回りに張ろうとしたのを、空君と愛ちゃんは見逃さなかった。空君のパチンコと愛ちゃんのブーメランとで、寸でのところで阻止することが出来た。

これで、お母さん達の鳴き声を子供達に、ちゃんと聞かせることが出来る。

『子供達を、全員お母さん達の元に帰そう』これが、僕らの願いだ。

カラスのお母さん達は、子供達に

『可愛い私の子供達、目を覚ましてよく聞いて、お母さん達の言うことを。みんな良い子だから、猫さんたちの言うことを聞いて、一箇所に集まって。お願い、早く、目を覚まして一箇所に集まって、まだ気が付かない子がいたら、隣にいる子が無理矢理でもいいから、一緒に連れて一箇所に集まって、猫さんたちの言うことを聞いて、大きなモンスターカラスに、騙されてはいけない』って、言いながら鳴いている。

何とか上手く、カラスの子供達にカラスのお母さん達の願いが、通じているみたいだ。徐々に子供達が一箇所に集まり始めている。

僕は、アッちゃん、リッちゃん、空君、愛ちゃんに、

『みんなにお願いがあるんだけれど、カラスの子供達が全員、モンスターカラスから離れて一箇所に集まったら、子達を人間には解らないように、お母さん達の元に帰れるように保護色になるバリアで包んで送って欲しいんだ。さっき、どうやってバリアが出来たのか解らないんだけれど、それなのに保護色って言うのも大変だと思うんだけれど、そうしないと、子供達を無事にお母さん達のところへ、帰すことが出来ないから。難しいのは解っているけれど、何とか頑張って欲しいんだ』と頼む。

『元ちゃんは、どうするの』って、リッちゃんが聞いてきた

『僕は、一人になったモンスターカラスと戦う』って、言うと

『あの巨大なモンスターカラスに一人で戦うのは、自殺行為だよ』って、アッちゃんが

『分かっているけれど。モンスターカラスと戦うのと、子供達をここから逃がすのを同時にしなくては、先に進めない。モンスターカラスは絶対に子供達を逃がすことを邪魔するだろうから、僕に出来るか分からないけれど、モンスターカラスをひきつけておくから、その間に、みんなに頑張ってもらいたい。やってみなくては、上手く行くかもしれないから、上手く行かせようよ』って、僕

『僕達だって、上手く出来るかどうかやってみなくては、保護色のバリアなんて。でもやらなくちゃ、この子達をお母さんの元に帰してあげなくちゃ』って、空君

『そうよ、何とかやらなくちゃ。お母さんたちが待っているんだもの、この子達を』って、愛ちゃん

『アッ、リッちゃん、どうしたの。急に横になるから、僕と愛ちゃん落っこちそうになった』って、空君

『ごめん、今、寝返りうっておかないと、今度いつできるかわかんないから』って、リッちゃん

『そうだね、でも、これからは一声かけて。それで上手くできたの』って、空君

『グー』って、リッちゃん

こんなときに、そんなことの出来るリッちゃんは、僕らにとっては清涼飲料水、コーラみたいな奴だ。

カラスの子供達が、続々と一箇所に集まって来ている。


                  続きはまた天使