僕とリッちゃんが、遠くの空に見える黒い塊と白っぽい塊の話をしているとき、アッちゃんの背中に乗っている空君と愛ちゃんは、とにかくにぎやかだった。

『力ちゃん、よかったね、力ちゃんのお母さんも。兄妹っていいね。愛ちゃんは、一人だから』って、愛ちゃんが言うと

『うん、よかった、何回でもよかった。愛ちゃんは、一人なんかじゃないよ。愛ちゃんは僕の妹さ、ねぇ、アッちゃん。僕ら兄妹だよね。そして、僕ら、元ちゃんにアッちゃんにリッちゃんは、家族だよね』って、空君が

こいつ、なかなかいいことを言うじゃないか、全く泣かせるよって思いながら

『そう、二人は立派な兄妹だよ。そして、僕らは、みんな家族だよ』って、あれ、なんだか声が震えてしまったって、アッちゃん

『ほんと、やったー』って、愛ちゃんは、アッちゃんの背中で跳ねていた。そして

『ねぇ、空君はずっと前にお母さんと会ったって言っていたけど、もういいの。それとアッちゃんは会っていないんでしょ』って、愛ちゃんが聞いてきた。

『うーん、会いたいし、話したいけれど、僕とお母さんはずっと遠くに離れていても、心が離れていないから、ずっと一緒だから、それに元ちゃんの家にいれば、そのうちお母さん来るからいいんだ。顔が見れたら』って、アッちゃん

『僕も会いたいけれど、力ちゃんにお母さんやお父さん、お姉ちゃんのこと聞いたから、みんな元気そうだし、そういう時は、いいんだ』って、空君

アッちゃんは、空君、偉い、大人になったなって、心の中で思った。

『あれ、なんだ』って、アッちゃんが大きな声で言うと

空くんと愛ちゃんが

『何』、『なんか見える』って、

『ずっと、ずっと向こうの空に、黒い塊と白ぽい塊が見えるんだけれど、二人には見えないよね』って、アッちゃん

『うん、見えない、僕らには、何も見えない』って、空君

『多分人間の目には、見えないと思う。ちょっと、元ちゃんたちを待っていよう。あの二人には見えているはずだから』って、アッちゃん

『アッ、来た、来た。ねぇ、向こうの空も二つの塊、何だろう。ちょっと気にならない』って、アッちゃん

『僕らも、気になるねって話していたんだ。黒いのと白っぽいの、何の塊だろう』って、僕

『空ってことは、鳥なのかな』って、リッちゃん

『でも、ここからでは遠すぎる。今日は無理だよ。とにかく、今日は家に帰ろう』って、僕

『そうだね』って、アッちゃん

『愛ちゃんや空君には、何にも見えないよ。アッちゃんが、人間の目には見えないって』って、愛ちゃん

『うん、遠すぎてね。でも動いているみたいだから、もしかしたら、明日には見えるかも』って、リッちゃんが

『僕、なんかで読んだことがあるんだけれど、ネコさんとかイヌさんってあんまり視力が良くないって。本当は、どうなの』って、空君は

『僕らも、普通のネコさん、イヌさんがどうかは分からないけど、今の僕らには特別な力が備わっているから、かなり遠いところでも見えるんだ』って、僕が説明する。

『僕は、幽体離脱している時は、視力が良いんだけれど、自分の中に帰ると白内障がひどくて、あんまり見えないんだ。目薬をさしているんだけれどね。ブルーベリーの錠剤も、ご飯の中に時々入っているんだけれど』って、リッちゃんが空君と愛ちゃんに

『へーえ、リッちゃん、大変なんだね。足とか腰だけじゃないんだ』って、二人

『家が見えてきたよ』って、愛ちゃん

家に着くと、リッちゃんは早速、自分の中に入り大きく寝返りを打つ、なんて言うか、僕は居ますよってお母さんたちに、アピールしているみたに。

何しろ、僕らが家に帰ったとき、まだお母さんたちは起きていて、ニュースを見ていたんだから。そのニュースが、僕らが見た、黒い塊と白っぽい塊についての内容だった。何でも、それは黒い塊はカラスで、白っぽい塊はハトだって言っている。

あんなに遠く離れていて、塊として見えたということはかなりの大群だ。いくら、カラスが多くなったとは言え、ハトはどうしてしまったんだ。映画じゃないんだから、鳥の大群とか、イナゴの大群とか、僕、お母さんたちと古い映画を見たことがある。

お父さんとお母さんも、ニュースを見ながらそんな話をしている。

ニュースでは、時間が経つに連れて、鳥の数が増えていると言っている。

僕ら全員、嫌な予感とモンスターと言うのが浮かんできた。


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