力ちゃんたちが、遅い夕食をはじめたのを、少しだけ僕らは見て
『もう、安心だねぇ、力ちゃんち家族は』って、僕ら全員が納得して帰ることにした。
『みんな、ありがとう。僕は・・・』って、空君が声を詰らせる。
アッちゃんとリッちゃんが、それぞれ右と左の空君のほっぺを、まったりと舐めた。空君は
『駄目だよ。二人とも、顔がベトベトだ』って
『フフフ、よかった、ねぇ、元ちゃん』って、愛ちゃんが僕の方を見て
『さぁ、帰ろう、親子水入らずでの食事だもの、いくら、僕らのことが見えていなくても。そうだ、星のお墓によっていかなくては、加奈ちゃんが待っている。三人で食事をしていたことを教えてあげなくては、安心して天界に帰っていいよって伝えなくちゃ』って、僕
僕らはワイワイ言いながら、加奈ちゃんが待っている星のお墓に、
『加奈ちゃん、大成功、よかったね。おばさんは、もう大丈夫だよ。おじさんは、かなり驚いていたけど、すごく喜んでいたよ。力ちゃんには、会ったの』って、空君が言うと
『うん、お兄ちゃんに会ったよ。何も言葉交わさなかったけれど、それだけで通じるものがあるから。ありがとう、空君、みんな、加奈、行かなくちゃ。天界で、みんなの無事を祈っているね。愛ちゃん、髪をといてもらうのよ』って、加奈ちゃんは僕ら一人ひとりと、抱き合って天界へ帰っていた。
そうしている間も、星のお墓に手を合わせてくれる人が何人かいた。
『帰っちゃった、加奈ちゃん』って、淋しそうに愛ちゃんが
『また、いつか会えるよ。それまでは、空君が愛ちゃんの髪をといてくれるよ』って、アッちゃんが
『分かったよ。愛ちゃん、僕に任せて』って、空君
『さぁ、僕らも帰ろう。そろそろ、リッちゃんが寝返りをうってもいい時間だから』って、僕
いつも僕は、アッちゃんの背中に乗っているんだけれど、今日の帰りは兄弟水入らずでリッちゃんの背中に乗って帰ることにした。
アッちゃんの背中に乗った、空君と愛ちゃんはにぎやかに。
僕は、リッちゃんの背中に乗りながら、ずっと以前はしていたようにリッちゃんの毛づくろいを始めた。何も話はしない、ただ黙って毛づくろいを、ここ一年ちょっとでりちゃんの毛並みが悪くなったような気がする。もっと、つやつやしていたような気がする、そうかリッちゃん今年十五歳になるんだもの、こんな感じなのかな。僕は、言葉に出さずに、リッちゃん、頑張れよ、体きついだろうな、頚椎も足腰も家に帰ったら、マッサージでもしてあげるかな。
リッちゃんには、僕の気持ちが伝わったらしく
『元ちゃん、聞こえたよ。マッサージ宜しくね』って、そして
『元ちゃん、力ちゃんたち兄妹を見ていて、僕、つくづく思ったんだ。僕、元ちゃんと兄弟で本当によかった』って
『うん、僕もそう思う。そして、僕ら、お父さんとお母さんの子供で本当によかったよね』って、僕
『そう、あの脳天気な二人はいいね。あれで、もう少し食事がいいといいんだけれど、体のこと気にし過ぎていまいちなんだよな』って、リッちゃん
『しょうがないよ、お母さん、健康オタクだから』って、僕
『ねぇ、リッちゃん、ずっと向こうずっと、ずっと向こうの空に黒い塊、見えない』って、僕が言うと
『えーと、ずっと、ずっと先の方だよね。なんかその横に白っぽい塊も、見えるような気がする』って、リッちゃん
『あー、白っぽいものもかすかに見える、何だろう』って、僕
『でも、あの距離はかなり遠いね。今日は無理だ。なんか動いているのかな』って、僕
『こんなに離れていると、はっきりと動いているかどうか分からないね』って、リッちゃん
『なんだか、嫌な予感がするね』って、二人でハモッてしまった。
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