リッちゃんの散歩も無事に終り、僕たちは家で少し休むことにする。

愛ちゃんは、初めてお母さんに抱かれた嬉しさや感触が体から離れないことと、お母さんが天界へ旅立ったことへの複雑な思いで、興奮してなかなか休むことが出来ずに、何度も大きなため息をついたりしていた。

空君は、今日の夜、力ちゃんに会いに行くことになったので、もう、今から興奮が始まっている。いい、結果だといいんだけれど、と犬猫トリオは、こちらも落ち着かない。

みんな、体を休めなければいけないのに、あーぁ、どうしたものか。

リッちゃんは、現実の世界に属しているので、僕らが休んでいる間も、目をこすりながらお父さんお母さんの、付き合いもしなければいけないので、なかなか大変なんだと言っていた。なんて言いながら、リッちゃんは最近、散歩と食事以外の大半の時間を寝ているのに、まぁまぁって感じかな。

僕らは、リッちゃんの食事が終り、お母さんたちの食事も終り一息つき、コーヒーを飲みながらのんびりし始めた頃を見計らって、力ちゃんに会いに行くことにした。早々、一方的に、一方的だといいんだけれど、もし、力ちゃんに僕らが見えたら・・・そんなことのないことを祈ろう。

ゴロゴロとしている間に、僕ら全員はぐっすりとん寝ていた。もしかすると、僕らの鼾が、お母さん達に聞こえていそうなくらいに、爆睡ビックリマークこれだけ休んだら、何が起きても平気はてなマークかなぁ。

九時ごろかな、リッちゃんがみんなのことを起こしたのは

『みんな、起きて。僕はもう出かけられるよ。ほら、早く』って、その声に一番初めに反応したのは、空君だ。愛ちゃんを、起こすのは少し気が引けた、とっても穏やかで可愛い顔をしている。昼間お母さんに抱かれた時と同じ顔をしている、きっとお母さんの夢を見ているんだと思う。基本、僕たちは、天界に住んでいれば、地上に住んでいる人たちと夢で話すことが出来る。ただし、僕たちは今、ママやマザー達からの使命を受けて地上に来ているので、それは出来ない。でも、愛ちゃんの場合は、お母さんが亡くなって天界の住民になったので、夢で会うことも、話をすることも出来るんだ。でも、起こさなくては、と思いながら愛ちゃんの顔を見ていたら、アッちゃんも目を覚ました。僕や、リッちゃん空君が、愛ちゃんの寝顔を見ていると、アッちゃんも覗き込みながら一言、

『起こすのが可哀そうだね。おいていくわけにはいかないから、寝たまま連れて行こうよ』って

『うん、そうしよう。僕の背中に乗せて、そおっと起こさないように』ってリッちゃんが

アッちゃんが首を銜えて、空君が体を上手く持ち上げてリッちゃんの背中に乗せる。空君が愛ちゃんが落ちないように、リッちゃんに乗る。僕は、アッちゃんの背中に、

『準備完了、出発』

僕らは、夜の街に、ネオンがいっぱいで、確かに綺麗だ。ここの町は、夜景が綺麗ということで、有名なんだ。でも僕、お母さんがよく言っていた事を思い出した、それは

『天気が良くて、きもーち風のある夜なんか、町のネオンをいっせいに消すと、この町もきっと星がいっぱい見えるんだろうな』って、お母さんの頭の中には、ずっと前に行った富士五湖の一つの西湖で見た星があまりに綺麗だったので、忘れられないらしい。そんなに簡単にネオンを消したりするのは、無理ビックリマークけど、僕らなら出来るかも、そうしたら節電にもなるし、みんなに、星が綺麗って、自然ってすごいって思ってもらえるかも。これは、あとでみんなで考えてみよう。そんなことを考えていたら

『元ちゃん、どうかな力ちゃん、僕、少し不安なんだけれど』って、アッちゃんが

僕が答えるより先に、僕らの隣に並んでいたリッちゃんの背中の上の空君が

『僕が、力ちゃんの立場なら、押し潰されそうになっている。事故にあった当初は別として、年が経つにつれて、周りの人が僕のことを忘れていくのとは、逆にどんどん力ちゃんの心の中で僕が占める割合が大きくなっているような気がする。力ちゃんは良いやつだから、余計にそんな気がする』って

『空君、何があっても大丈夫、僕らがついているから、アッ、愛ちゃん、目が覚めた』って、僕

『うん、覚めた。力ちゃんのところへ行くのね。あれ、リッちゃんごめん、愛ちゃんのよだれが毛に付いた』って、

『いいさ、いいさ』って、リッちゃん。空君がティシュで拭いている。

僕とアッちゃんは、そんな光景を横目で見ながら笑った。


               続きはまた天使