空君と愛ちゃんは、

『モンスターになることもあるんだ』って

『そうか、子供もモンスターになることがあるんだ』って、空君が言うと

『そうだよ、最近は残虐な子供も多いから、大人だって注意するのに、躊躇するらしい。だって、注意した人だって怪我なんかしたりするのは、嫌に決まっているから。もしかするとそういう子は、誰も知らないうちにモンスターが住み着いているかもしれない。多分、本人だってそんなことには、気がついていないと思うよ』って、僕

『じゃ、それは、猫さんにも、犬さんにもみんなにいえるの』って、愛ちゃん

『うん』って、僕

『あんなに小さくて可愛い犬さんや、公園にいる猫さんやここの猫さんにもいえるの』って、愛ちゃん

『多分、それは、何でも表面だけで判断してはいけないってことだと思うよ。見た目に誤魔化されてはいけないんだ。それと、普通って言うのも曲者だね。普通って、誰が何を基準に決めたのか』って、アッちゃんがかなり難しい顔をして

『そう、何か事件が起きるとよく、インタビューを受けている人が、普通の子でしたよ、とか言い人でしたなんて言っているのテレビで見ていた』って、アッちゃん

『空君、どうしたの。なんだか不安そうな顔をしているよ。何か気になることがあるの』って、方向転換をしたリッちゃんが

『あーぁ、そんなことはないと思うけれど、ちょっとだけ力ちゃんのことが心配になってきた。もし、僕のことでずっと苦しんでいたとしたら、何かのきっかけでモンスターに隙を見せたり、いや、力ちゃんはそんなに弱くない』って、空君。でも、空君がずっと力ちゃんのことを気にしてたのを、僕らは知っている。

『今日の夜、力ちゃんを見に行こう』って、僕が言うと

『えっ、本当、いいの』って、空君が目を輝かせて

『空君は、お母さんより力ちゃんの事が気になっているんだ』って、愛ちゃんが複雑な顔で聞く。

『僕だって、お母さんのことは気になる。でも、一緒にいて事故で僕だけ死んでしまった、もしかすると死んでしまった僕より、残っている力ちゃんの方が苦しんでいるんじゃないかと思って、そうしたら、なんて言うか、モンスターにつけこまれる可能性があるんじゃないかなって。力ちゃんのことは信じているけれど、でも、僕だって、大人の理不尽さにモンスターになってもいいと一度は、思ったりしたんだから』って、空君が

『ごめんなさい、無神経なこと言って、愛ちゃんもモンスターになってもいいって、前は思っていたのに』って、愛ちゃんは神妙な顔をして

『いいんだよ、そんなこと、今夜が楽しみだ』って、空君

アッちゃんとリッちゃんから、テレパシーが送られてきた、ほぼ同時に、同じ内容が

『元ちゃん、愛ちゃんのお母さんのことは、はっきりと判らなかったけれど下見らしきことを、していたからなんとなく良かったけれど、力ちゃんについては予備知識がないよ。大丈夫かな』って

『わかんない、可能性としては五分五分かな、空君を傷つけてしまうことになるかもしれない。もし、仮に力ちゃんの中にモンスターが住み着いていたとしても、それは、取り除くことができるし、それは早いほうがいい。もしそうならちょっと、空君にとっては辛いかもしれないけれど』って、僕

『空君は、強い子だよ。心、特に精神力は、大人だって敵わないかもしれない』って、アッちゃんが言うと

『うん、それに思いやりがある。空君も愛ちゃんも、ほんと良い子だね』って、リッちゃん

僕、アッちゃん、リッちゃんがそんな話をしながら歩いていると、空君と愛ちゃんは、大変そうに歩いているリッちゃんの腰の部分をよいしょっと持ち上げて、歩くのを手伝っている。なので、お母さんは、リッちゃんに

『リッちゃん、帰りのほうが調子良さそうじゃない。階段も平気かな』って

リッちゃんは、言葉の代わりに尻尾を

『勿論、大丈夫』って感じに、パタパタと振っていた。

そんなこんなで、無事に散歩が終了

  

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