そう、リッちゃん、空君、愛ちゃんの三人は、僕とアッちゃんが出かける時にゆっくり休むようにと言っておいたのに、休むことなく三人で、あーだ、こーだと話していたらしい。まぁ、そんなことだろうとは、思っていたけれど。今、地上で何が流行っているだとか、リッちゃんは一生懸命に話していたらしい、けど、よーく聞いてみると、どうやらそれは犬の間で流行っていることらしく、リッちゃーんってことらしく。お母さん達が帰ってきてテレビを点けてからは、それなりに人間社会に関してのことがニュースとして説明していたらしい。そんなかなりいい加減な話でも、僕やアッちゃんの知らない事を、空君や愛ちゃんが鼻高々に話してくれたりした。これは、山さんの件が落ち着いてからだけれど。

良くとると、この三人が特に愛ちゃんに叱咤激励されて、幽体離脱や飛行訓練をしていたリッちゃんに関しては、本当に助かった。だって、スムーズに色々な事が出来たから、怪我の功名って言うのかな。そして僕たちは、体を休めることの大事さや、睡眠がどんなに大事かを知ることになる。

僕とアッちゃんが、家に戻った特はもう9時を過ぎていた。久しぶりに見るお母さんとお父さん、食事が終ってコーヒーを飲みながらテレビを見ている。僕がいたころと何も変わっていない、ただ違っているのはお母さんの膝の上にも、お父さんのお腹の上にも僕がいないということだけ。お母さんとお父さんの真ん中に、幽体離脱してしまって持ち主が留守のリッちゃんが、だるそうに横たわっている。お父さんとお母さんが、代わる代わるにリッちゃんの頭と撫でている。

『リッちゃん、相当疲れているのはてなマーク爆睡している』と、相変わらずのんきな二人の会話だ。そして、胸が痛くなったのは、二人ともふとした時に僕が好んでいた場所をぼーっと見ていることしょぼん

アッちゃんは、

『おじさんとおばさんの、話を聞いていると平和って感じだよね』って

とにかく、僕とアッちゃんは愛ちゃんの家に行ったことを除いて、山さんのことを簡単に説明をした。どう戦うかは結論が出なかったけれど、とにかくみんなで山さんのところへ行くことになる。

戦闘開始ということだ。アッちゃんの背中には、僕が、リッちゃんの背中には空君と愛ちゃんが、リッちゃんは練習の甲斐があってなかなか上手く飛んでいる。明日の朝、お母さんたちが起きるまでには、ある程度終らさなければいけない、若しくはリッちゃんだけは、家に帰れるようにしておかなければいけない。

僕は、アッちゃんに

『ねぇ、アッちゃん、今度のモンスターは、話し合いで何とかなる相手ではなさそうだね。ボス猿さんたちにようにモンスターの化身ではなくて、モンスターそのものなんだから、簡単にさっきみたいに道を作り変えたり出来ちゃう。僕らには、いったいどんなことが出来るんだろ』って言うと、アッちゃんは

『わかんない、全くわかんない。でも、五人揃ったんだから、何か凄いパワーを僕は感じるよ』って、

『そうか、凄いパワーか。そうだよね、それにきっとモンスターにだって、弱点はあるはずだし。後ろの三人はかなり張り切っているし、山さんが協力してくれるのはありがたいね』って、僕。後ろの三人は

『モンスターって、どんなだろう。そんなに凄いのかな。僕は、負けないよ。犬キックでやっつけちゃう』って、リッちゃんが後ろ足に力を入れたので、バランスを崩すと愛ちゃんが

『振り落とされるよ。リッちゃん、気をつけて。アッ、何だろう』って、愛ちゃんはジャンバースカートのポケットから、小さな小さなブーメランを取り出した。そのブーメランは、どれくらい小さいかと言うと4歳の女の子の手にすっぽりと隠れるくらいに小さいのだ。

『小さいブーメランだ』って空君が言うと

『ブーメランて、何ビックリマーク愛ちゃん知らないよ。これは、何をどうするものなの』って、愛ちゃんは空君に聞く

『ブーメランって、簡単にいうと投げると飛行して自分のところに、戻って来るんだ』って、空君

『僕、知っているよ。公園で遊んでいる人を、見たことがある。ちょっと怖かった』って、リッちゃん

『何で、ブーメランって言うのが、愛ちゃんのポケットに入っていたんだろう。空君のポケットには、何か入っていないの』って、愛ちゃんは聞く。

『僕のポケットには、何も入っていないよ。あれ、何だ、これはてなマーク』って言いながら、空君の手には、サッカーボールの消しゴムが、

『サッカーボールの消しゴムだ、今まで全然気が付かなかった。僕、この消しゴム使っていたんだ』って

『二人のブーメランとサッカーボールの消しゴムって、何か武器になるのかな』って、リッちゃんが

『でも、これ小さいよ、武器になるかな』って言いながら、愛ちゃんがブーメランを持って手を上げたら、手に入るほどの大きさだったブーメランが少しづつ大きくなった。愛ちゃんは、驚いた瞬間にブーメランを落しそうになった。


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