僕とアッちゃんは、愛ちゃんの家の人が帰ってきそうな時間までのつもりで、気になった山に来て見たんだけれど、どうやら時間がかかりそうな気がしてきた。かと言って、このままにしては置けないし、話だけでも聞こうと思ったのが、少しずれてしまいこのまま深く、山の中に入っていくことになる。
『あなた達には、私の声が聞こえたんですね。私が、泣いていたのが聞こえたんですね。私を、助けてください。そして、ここに住んでいた動物達や新しく芽を出そうとしている植物や、切られてしまって木を何とか助けてください』って、山さんは、僕たちに救いを求めてきた。
でも、僕とアッちゃんには、救いを求める山さんの声とは、別の声も聞こえている。その声は、
『何を勝手なことを言っている。この山は、もう以前の山とは違うんだ。住んでいる住民も、以前とは違うんだ。木がなくても、山菜がなくても、実がならなくても何の問題もない。ゴミでいっぱいになって、汚水が川に流れていっても、大雨で崖が崩れても何も感じない』って、もう一つの山の声がいった。
救いを求めている山さんは
『今の声は、山の持ち主が変わったと同時に、私の中に入ってきたの。そして、山の表面だけではなく、私の中まで変えようとしているんです。私の良い土をトラックで運び出して、そこにこうしてゴミを運んでくる。私は、どんどん姿を変えられていくんです。そして、私自身もあなた達が来るまでは、もう諦めるしかないと思っていたんです。私は、何度か私の中に入ってきたモンスターと戦いを試みなしたが、その都度、私の中の私が、少しつづモンスターに変わっていくんです。今こうしている間も、私はモンスターに、変わりつつあるんです』と、山さんが。
どうやら、山さんの中にはモンスターがいるんだ。それも、かなり巨大なモンスターが
『そこの、猫と犬、どうした、怖気づいたか
お前達は、モンスターの上に立っているんだ。私の気分しだいで、お前達をどうにでも出来るんだ』って言って、モンスターが山全体を、地震のように動かした。
僕とアッちゃんは、少しよろけながら
『山さん、少し痛いけれど、ごめんね』と、言って、僕らは、顔を見合わせて、僕は、おもいっきり地面に爪を立て、アッちゃんは、少し盛り上がっていた地面をおもいっきり噛んだ。
山さん、『ウウゥ』って、苦しそうなうめき声を上げたけれど
『大丈夫、私は、平気よ』と言って、我慢してくれた。
驚いたのは、山さんの中にいるモンスターだ。モンスターは、僕とアッちゃんをただの猫と犬だと思っていたんだから、そりゃ驚くわけでモンスターは
『なんなんだ、お前らは、ただの猫と犬じゃないな。何をしに、ここに来たんだ。この山は、すでに九割は、私のものだ。取り戻せるわけがない』って
『それは、分からないよ、僕たちにどんな力があるか、知らないだろう』って、僕
『こんな感じは、どうかな』って言って、アッちゃんがゴミではなくて、土の所を選んで穴を掘り始めた。
山さんは、一生懸命に耐えている。僕は山さんに
『山さん、山さんの蝋燭はとっても太くて長いよ、だから、頑張って。絶対に僕たちが、モンスターに蝋燭を折らせたりさせないから、炎を消させたりさせないから。少しの間、我慢して』って
『えぇ、頑張るわ。あなた達を信じる』って、とても苦しそうに
僕は、深く穴を掘っているアッちゃんに
『アッちゃん、何か見えた。穴の中に、僕も入って行くよ』って、テレパシーを送った。
『まだ、何も見えないけれど、来て見る』って、アッちゃんから返事が返ってきた。
僕は、アッちゃんの掘った穴に入って行く。アッちゃんの後姿が見えてきた、こんな時に、こんな事思っちゃいけないと思いつつ、どう見ても、アッちゃんの穴の掘り方は、もぐらだって思ってしまう。
『元ちゃん、僕は、真剣に穴を掘っているんだよ』って、アッちゃんが
『あー、ごめん、伝わってしまったんだ』
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