『人間としての私は、

まず一人目の私は、父親に殺されたんだ。父親に殺されたからと言って、虐待されていたとかじゃない。きっと、私の父親も辛かったんだと思う。私の父親は、極ありふれたサラリーマンだった。私が小学校5年生の時に、リストラにあったの。それまでは、いい家庭だったと思う、両親も仲が良く、私も姉ちゃんとは時々喧嘩はするけれど、仲は良かった。本当にどこにでもある家族って感じだった。父は再就職をするために色々な会社に、面接に行ったけれど、ことごとく駄目だったの。よくは分からないけれど、キャリア、年齢、父のプライドなど色々で、我が家の家計は日増しに苦しくなってきたの。父のプライドが、母のパートを許さなかったっていうのもあるし、それで切羽詰った父が、家族全員を母、姉、私、そして父は自殺っていう無理心中をしたの。私は、どうしても納得がいかなくて、父のことは大好きだけど、それとは違う気がするの。私の蝋燭は、私のものでしょ。いくら子供とはいえ、私にだって生きる権利ってあるでしょ。お姉ちゃんは、うすうす感じていたらしい、だからお母さんとお父さんと一緒に天界に行った。私は入り口まで入ったけれど、お母さんもお父さんも、お姉ちゃんも、ずっと私を呼んでいたけれど、どうしても私は行く気になれなくて、いつの間にかモンスターに。


二人目の私は、自分のお腹を痛めた息子に殺されたの。どうしてなのかしら、私の育て方が間違っていたのかしら、今でも分からないの。息子は、生まれて時から体が弱く、随分大変な思いをして育てたの。夜中に、熱を出して病院に連れて行ったり、アトピーだったので食事に気をつけたり、ここの病院が良いと聞けば連れて行き、これが良いと聞けば何とか手に入れて、それが辛かったなんて思ったことはないのよ。親ですもの、子供の為なら出来ることはなんでもする、そうでしょ。息子は、成長するにしたがって、体は丈夫になっていた。私は、かなり教育熱心だった。何度も、受験で大変な思いをさせるより、ストレートで大学までいける方がいいと思い、小学校を選び受験もパスした。私は、全て息子のことを思いしてきたの。ただし、主人は何にも協力してくれなかった。息子が熱を出そうが、怪我をして入院しようが、学校の行事も一切、何もしてくれなかった。主人がしてくれたのは、生活費を入れてくれたことだけ、何を相談しても帰ってくる言葉は

『お前に任せた』で、終わり。

そして息子は、引きこもりになってしまったの。家庭内暴力が始まる、本当に凄かった。一つ違えると、私が息子を殺していたわ。夫は家に帰らなくなった。

ある日、私は息子に殴られ、止めにナイフで胸を刺された。息子は、警察で

『人を殺してみたかった』と。

そう、何か理由があって、母親の私を殺したかったという方がまだまし、ただ、人を殺したかったって・・・息子にとって、私はただの人でしか過ぎないのが悲しい。そんなことを思っていたら、モンスターになっていたわ。


三人目の私は、轢き逃げにあったんだ。私は、轢き逃げにあったこと事態は、自分の不注意っていうのもあったから、納得していないわけではないんだ。まぁ、ちょっと変な言い方なんだけれど、私が酔っ払って車道に出てしまったんだよ。自業自得ってやつだな、逃げた車は確かに許せないが、その車は災難といえば災難と言えなくもないと、私個人としては思わなくもない。私が、許せないのは、家族だ。警察から、私が轢き逃げにあって即死したと聞いたときの家族だ。私は、ずっと家族のために働いて、定年退職になったばかりで、これから好きは山歩きでもしようかと思っていたんだ。それが、即死と聞いた妻は、悲しむ前に頭の中で保険金の計算をしていたんだ。横で聞いていた娘は、自分はいくら貰えるんだと。これは、ないだろ、私をなんだと思っている。轢き逃げと聞くと、相手からの保険金は入らないのビックリマーク轢き逃げした相手は、翌日、自首してきたんだが、おそらく酔っ払い運転だったんあろう。妻と娘には、相手からも保険金が入った。私には、これがどうしても納得がいかない。私の人生は、なんだったんだ!!そりゃ、亡くなった者からすると、残された者が悲しみに打ちひしがれてって言うのも辛いが、私の家族は笑顔なんだ笑顔で送られるというのいい、ただ笑顔が違うんだ妻と娘のは。金勘定はないだろうと思っていたら、モンスターになっていたよ。

人間で、話したいのがまだいる、ちょっと待てくれ』と、ボスねずみさん


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