さっき、空君と愛ちゃんに『子供は来るな』と言った、ねずみさんが、

『その子達は、本当に何もしないわね』と、こわごわと聞いた。

僕は、

『勿論、空君も愛ちゃんも僕もアッちゃんも、みなさんに危害を加えたりしません』と言う。

アツちゃん、空君、愛ちゃんは

『僕らは、何もしないよ』『私も、何もしない』と

少し、安心した様子でそのねずみさんが、ボスねずみさんの方を向いて、首をこくりと、ボスねずみさんはとても優しい顔で、うなづいた。

そのねずみさんは、他のねずみさんの比べると、随分と体が小さい。一生懸命、みんなに聞こえるように大きな声で話しだした。


『私は、その時産まれて3ヶ月ちょっとだったの。私のお母さんは、野良猫。だから当然、私も野良猫。野良猫って、大変なの。住むところもないし、食べ物も自分たちで確保しなければいけないの。だから、お母さんはそれはそれは、大変だった。私は、そんな中5匹の兄妹の4番目として生まれたの。悲しいことに、産まれてすぐに、2番目のお姉さんがカラスにやられた。私の下の子は、死産だった。残ったのは、3匹一番上のお兄さんと私のすぐ上のお姉さん。お母さんは、二匹の子供を亡くして本当は、とても辛かったのそう泣きたいくらいに。でも、野良猫のお母さんには、泣いている時間なんかなかった。残っている、私たち3匹をお母さん一人で育てなければいけなかったから。赤ちゃんのうちは、物陰なんかに私たちを隠しておいても、聞こえるか聞こえないくらいの小さな泣き声を出す程度だったのが、少しつづ動き回るようになってくると、もう大変。お母さんが食べ物を探しに出かけるときに、『ここを出ちゃ駄目よ』ってきつく言っていくのだけれど、私たちは、じゃれあって走り回り、時々もといた場所がわからなくなって、大きな声で泣いているとお母さんが、慌てて探しに来てくれたりしていた。そういう時は、お母さんは顔を真っ赤にして、私たち兄弟を叱っていた。そして、決して車車の通っている通りに出ては、いけないって言っていた。しばらくの間は、私たちはそれを守っていたの。ある日、お母さんがいつものように食べ物を探しに出かけたの。私は、臆病な子だったんだけれど、お兄ちゃんとお姉ちゃんは、活発な子猫だった。だから、その日、お兄ちゃんたちは、お母さんとの約束を破って、追いかけっこをして遊んでいたの。その追いかけっこが段々と、車が通っている大きな通りに近づいていったの。私は、お兄ちゃんたちを追いかけながら、『駄目だよ、そっちは、お母さんがいけないって言っていたよ』って言いながら、追いかけたのに。お兄ちゃんたちは、車の通りに出ちゃったの。遠くの方に、お母さんが見えたの、お兄ちゃんたちはお母さんしか目に入っていなかったの。お母さんは、お兄ちゃんたちに気が付いて、口に銜えていた食べ物を投げ出し大きな声で『来ちゃ駄目、戻りなさい、危ないから、車が来るから』って、叫びながらすごい勢いで、走ってきたの。でも、間に合わなかった、お兄ちゃんもお姉ちゃんも、車に轢かれてしまったの。お母さんも、反対車線の車に轢かれたの。お兄ちゃんたちは、即死だった。お母さんは、瀕死の状態でお兄ちゃんたちを銜えて私のところへ持ってきたの。そして、お母さんは、息絶え絶えに『もう、お母さんは、あなたを守ってあげられない。一人で生きていくのよ。何も教えてあげられなくて、ごめんね。強く、生きるのよ』って言って、亡くなった。私は、一人きりになってしなったの。私には、お母さんやお兄ちゃんお姉ちゃんの遺体をどうすることも出来ない。しばらくの間、そこで泣いていた、泣くしかなかったもの。通りかかった優しい人が、お母さんたちの遺体を埋めてくれたの。そして、私に食べ物をくれたわ。私がその人に付いていこうとしたら、その人は『ごめんね、家はペット駄目なの』って、私の頭を撫でて行った。私は、淋しくて泣いたけれど、その人のことは心から感謝している本当よ。優しいお母さんと同じ目をしていたもの』と、ここまで一気に子猫さんは、話すとその時のことを思い出したのか、目にいっぱい涙をためて、肩を震わせた。ボスねずみさんが、

『大丈夫か』っと、そっと子猫さんの肩に手をかけた。


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