『愛ちゃんにも、わかる。元ちゃんがしようとしていること』って愛ちゃんが、僕を抱いている腕に力を入れて、今にも泣き出しそうな声で言う。
『大丈夫。僕は、こう見えても猫なんだから、高いところから飛び降りても、ちゃんと着地出来るよ』
『元ちゃん、僕知っているよ。元ちゃんが、高いところから飛び降りたことがないの』って、アッちゃん
『早く、アッちゃん』
『わかった』
アッちゃんは、決めたら全速力で下降しながら、ビルの真上を目指した。
着いた
『地上で待っている』と一言だけ、僕は言って、真っ逆さまにすごいスピードで降下する。まるで飛び込みの選手のようだ。両腕を真っ直ぐに伸ばして、ちょっとだけ、風が目にしみる。お母さんが、こんな僕の姿を見たら、気を失ってしまうだろう。僕も、自分にこんな勇気があるとは思わなかった。あと、もう少しだ、段々臭いが強くなってきている。この臭いは、ガスだ
ガスが漏れている臭いだ
人の臭いは、とり合えずしていないような気がする。でも、まだわからない、早く着かないかな。これ以上は、僕には、無理だ。僕は、ドラえもんじゃないから『どこでもドア』なんかを持っていないし、多分僕には、テレポーテーション出来るような力はないと思うし、
『あーあ、どうしよう。キャットマザー、僕には一体どんな力があるんですか
僕は、どうしてもあのビルの
爆発を止めたい、教えてください。僕はどうしたらいいんですか』と叫びながら、あのビルに行かなくちゃ、早く、行かなくちゃと心の中で祈っていたら、僕は突然着地した、僕の両手足は、地面に着いている。僕は、この時何も考えることなく、極自然にガスの臭いの強い方へと向かった。このビルの臭いは、ガスは勿論、カビの臭いがすごい、それと何か動物の臭いもする。僕の家は、動物園の近くだったからいろいろな動物の臭いは、知っている。夏なんか、風が少し強い日は、風に臭いが乗ってくるから。でも、こんな臭いは、初めてだ。僕は、今まで暗闇の中動く時は、トイレに行くぐらいだったし、こんなに暗いのは初めてだ。僕は今日はじめて、自分がが夜行性の猫で、良かったと思った。ここは地下室だ、色々な管がある、これは水道管だ。こっちは、ガス管はどれかな、いろんな臭いがする。なんか、音がする、『ガリガリ』と金属を噛んでいるような音、段々大きく聞こえてくる。見えた、でかい、あいつは、ねずみだ
何で、あんなに大きいんだ。僕よりも、はるかにでかい。
『おい、何をしているんだ。その管は、ガス管だぞ。ガスが漏れて、爆発してしまう。やめろ
』って、僕は異様にでかいねずみに言う。
『なんだ、猫か。ここにいたら、飛ばされるぞ。来た道を通って、ここから出て行け』って、でかいねずみが言う。
『ボス、放り出しましょうか』って、僕と同じくらいの大きさのねずみが、でかいねずみの影から顔を出して言った。
暗がりから、僕と同じくらいの大きさのねずみが、他に6匹出てきた。
『なんなんですか、この猫は、』って、その中の1匹がボスと呼ばれた、でかいねずみに聞いた。
『野良猫じゃなさそうだから、どっかから迷い込んできたんだろ』って、ボスが言う。
『僕は、迷い込んだんじゃない。ここを目指してきたんだ。ガス管を噛むのを止めろ』って、僕は言う。
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