僕んちの朝は、お母さんが一番に起きて、僕のご飯を作ることから始まる。そして、僕が一番に食事をする、これは、ずーっと前からそうなんだ。その間、リッちゃんはお父さんのベッドの横で、「お父さん、早く起きて散歩に行こうよ」って念力を掛けているんだ。お父さんは、目覚めが妙にいい時と、なかなか起きない時がある。僕の場合は、お母さんが寝坊すると、ベッドの上で「早く起きようよ、お腹空いたよ」って起こすんだけれど、リッちゃんはじーっと、お父さんが起きるまで、「あー」とか「うー」なんてため息をつきながら、待っているんだ。お母さんは僕の食事を用意して、掃除をしながら自分たちの食事の用意と、リッちゃんの食事の用意をするんだ。そうすると大体、AM7:52分くらいになって、お母さんはお母さんのお父さんに、モーニングコールをするんだ。普通、この時間と前後して、リッちゃんとお父さんが散歩から帰ってくる。稀に、この時間になってもお父さんが起きない時は、お母さんとリッちゃんが散歩に行く。5月4日は、いつも通りに物事は進んでいった。リッちゃんもお母さんたちも、食事が終わり、リッちゃんの変なおやつタイムも無事に済む。リッちゃんは、僕の隣に来て「元ちゃん、今日も無事に朝が来たね」って、僕のご飯のお皿に目をやり、「ご飯も、少し残ってはいるけど、いつもと変わらないね」、「良かった。気分も悪くなさそうだね」って。「うん、なんとか、今日も一日いけそうな気がする」と僕が答える。AM10:00になると、お母さんは、決まって買い物に出かける、約一時間で帰る。それから、お昼の支度を初めて、AM12:00には昼食をする。リッちゃんは、お母さんたちが食事を終ると、必ずおやつになる。僕は、たまーに僕の食べれそうな物がある時だけ、参加する。この日のことは忘れてしまった。PM1:00前後にお母さんたちはスポーツクラブに出かける。この日も、そうだった。僕んちは、大体一日のスケジュールが決まっているんだ。だから、午後からはいつもリッちゃんと二人で留守番というのが、何年も続いている。僕は、リッちゃんに「もう、何年になるかな、僕たちが一緒に暮らすようになって、十年以上になるかな?」って聞くと、「うん、そうだね、もう、そんなになるか。早いね、じゃ、僕たちは、一週間のうち何もなければ、4日くらいはこの時間二人で留守番をしていたんだ」ってリッちゃん答えた。僕は「うん、そうだよ。でもね、僕はあと何日も、リッちゃんとこうして二人で留守番は出来ないと思う」と言う。リッちゃんは「そんなことないよ。元ちゃん、こうして今だって元気にしているじゃないか。駄目だよ。最後までそんなこと言っちゃ」って、目に涙を浮かべて言う。「それは、分かっているけど、僕、ちゃんとリッちゃんにありがとうって言っていなかったから。長い間、本当にありがとう。いつも楽しい散歩の話をしてくれたり、僕のわがままを聞いてくれたり、僕のこといつも守ってくれたり、僕、絶対にリッちゃんこと忘れないよ。いつも一緒に居て、照れくさくてありがとうなんて言ったことはなかったけれど、心の中では、ずーっと感謝もしていたんだ、どんな言葉でお礼を言うと良いのか。もう、こうして話すチャンスがなくなってしまうかも知れないと思うと、僕、後悔はしたくないからさぁ」って、やっぱり僕は、照れている。リッちゃんは、「僕だって、僕だって」って泣いている。僕も泣いているんだ。僕とリッちゃんはそのあと、しばらく泣いていた、お互いに言葉は交わさなくても、お互いの気持ちが十分に分かっている。こんな「ありがとう」で良いのかななんて思っていると、お母さんたちが帰ってきた。家族全員で、お母さんが夕食の支度を始めるまで、ゴロゴロする。これも我が家のスケジュールに入っている。ただこのゴロゴロしているときに、僕なんか上手く説明が出来ないんだけれど、なんか「ヤバイ!?」って感じを感じたんだ。その日の夕飯は、8割くらいは食べることが出来た。お父さんの横で、リッちゃんと助さん角さんになることも、違和感を感じづつもなんとか。それからしばらくして、お母さんにれいちゃんから、電話が入った。アッちゃんの具合が悪いと言う、それに右へ習いではないが、僕もあまり動きたくない。僕は気のせいだ、少し前まで平気だったんだから、今日だって無事に終って、明日の朝だって無事に迎えられるんだって、そりゃ蝋燭の炎が消えそうなのは知っているけど、僕は自分に「元気、大丈夫さ、なんでもないよ。早くお母さんのお膝の上にいきなよ。お母さんに撫で撫でしてもらいないよ。すぐに元気になるよ」って言い聞かせた。


                        続きはまたガーン