翌4月18日、僕はお母さんと血液検査のため病院へ行く。勿論、お母さんはしっぽフリフリアッちゃんの面会もする。この日の僕の検査結果は、次の通りです。この検査表が、お母さんが持っている最後の検査表になる。調べた内容は、血中尿素窒素の正常値は13.1~29.5、僕は64.3。肝酵素の正常値は11~50、僕は56。胆管酵素の正常値は10~67、僕は87。ビリルビンの正常値は0.1~0.5、僕は<0.5。総蛋白の正常値は5.4~7.8、僕は6.6。ヘマトクリットの正常値は30~45、僕は32。赤血球形態異常は正常。白血球数正常値は5500~19000、僕は11600。こんな感じ、あと血球計算っていうのも何項目か調べてた。検査結果の良い悪いは、別にして僕はもう少し元気でいる。僕は、この日も診察台で抵抗した、「注射は、いやだ。止めろ」って、看護婦さんとお母さんは、「元ちゃん、良い子だから動かないの。すぐの終るから」って二人で、僕のことを押さえる。先生は、容赦なく僕の腕をアルコールで消毒して、注射する。「あー、痛いよ」って僕が泣くと、お母さんが「アッっちゃんが聞いているよ」って、僕はなんて言うか、ギャーと大きな声で泣くはずだったのが、なんだか腰砕けのフギャーって言う情けない泣き声になった。お母さんは、僕の検査結果が出るまでの間、アッちゃんに面会したいと思っていたので、先生に「アッちゃんのお母さんと友達でアッちゃんのことも知っているので、面会したいんです」と言うと、「あー、聞いています。お友達だったんですね」と言って、看護婦さんにお母さんをアッちゃんのところに案内するように言った。僕は、この間バスケットに入れられ、看護婦さんと一緒に受付にいた。僕をアッちゃんのところへ連れて行くのは、僕にもアッちゃんにも刺激が強いと思ったのだろう。多分、僕はその時のアッちゃんの姿を見たら、かなりショックを受けたと思う。僕が知っているアッちゃんでも、リッちゃんが知っているアッちゃんでも、勿論お母さんが知っているアッちゃんでもなかった。へんだね、本物のアッちゃんなんだけど、エアーの入ったマットに横になって、薬が効いているらしく寝ている。随分、やせて見える、閉じている目がくぼんで見える。それでも、お母さんと看護婦さんが行くと、気配は感じるのかなんとなく、耳が動いたような気がする。お母さんは、アッちゃんを撫でながら「アッちゃん、元ちゃんのおばさんだよ」って。「大変だったね、頑張ったんだね」、「良い子だね、アッちゃんは・・・」「良い子だ、良い子だ」って言いながら、ボロボロ泣いていたらアッちゃんが、気が付いたのかなぁ、虚ろな目でお母さんを見たんだ。しばらくの間、アッちゃんはお母さんを見ていたんだ。それから、なんだか安心したみたいに、ゆっくりと目を閉じたんだ。きっと、また寝ちゃったんだろう。お母さんにとっても、アッちゃんの姿はショックだったと思う。僕は、この時アッちゃんと話をしたような気がする。「元ちゃん、僕の蝋燭の炎、もう消えそうなんだ。僕は、元ちゃんのように上手くコントロールできなかった。この間の、発作が思った以上に強烈で、随分炎が強く燃えたんだ。そして今は、すごい勢いで消え始めているんだ。僕はどうしたらいいんだろう」僕は、とっさに「深い深呼吸をゆっくりと繰り返して、体の隅々まで酸素が行き渡るように。少しは、楽になると思う。僕の炎も、もう消えかかっているんだ。僕の病気と、アッちゃんの病気は違うから、炎の燃え方も違うんだと思う。だから、炎が消えかかっていても、僕はこうして元気を装っていられるんだと思う。アッちゃん、一昨日れいちゃんが、僕んちに来たよ。とっても悲しんでいた、もう少し頑張れよ、アッちゃん」って僕は言った。アッちゃんは「そうか、お母さん・・・そうだよねぇ。僕がいなくなったら、お母さん一人になっちゃうんだ。元ちゃん、元ちゃんは、お母さんのことリッちゃんに頼んだんでしょ、僕は誰に頼むといいんだろう?新しいしっぽフリフリ犬さんに頼むのは、まだまだ先のことだし、それはお母さんが、納得できるかどうかまだ未定だし。リッちゃんに、僕のお母さんのこと頼めないかなぁ。散歩友達はいるけど、お母さんのことを頼めるのは元ちゃんが駄目だと、リッちゃんしかいないんだ」と言われ、「そうだね、リッちゃんしかいないよね。帰ったら、リッちゃんに頼んでみるよ。アッちゃんとは、近いうちにまた、ここで会いそうだね。それまで、もう少し頑張ろう。苦しいと思うけど、最後まで僕ららしく、お母さんたちにラブラブ愛せれよう、そして、僕らもお母さんたちをラブラブ愛そうよ。そして、なにか僕らからの贈り物を残していかなくては」と僕が言うと、アッちゃんも少しほっとした声で「そうだね、何か考えなくては」と言う声と同時に、アッちゃんの面会が終わり、僕の検査結果の説明とアッちゃんのことを聞いていたお母さんが、「元ちゃん、さぁ、帰ろうか。じゃ、先生、アッちゃんのことお願いします」って、僕は慌てて、アッちゃんに「じゃ、行くね。リッちゃんには、ちゃんと頼むから、心配しなくていいよ」と言って病院を出た。


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