独言居士8、空想科学小説三部作 星新一愛

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歳をとって独り言が多くなってきました

独言居士というテーマで

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老人の繰り言です

読み流してください

 

第8回は

「空想科学小説三部作 星新一愛」

です。

 

空想科学小説三部作

1、私のSF遍歴(前編)

2、私のSF遍歴(後編)

※3、星新一愛

 

 

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星新一との出会い

 

東京で一人暮らしをしている時、思い立って一日1冊の文庫本を読むという「願」を立てました。

実際やってみるとなかなか時間的に大変で、思いついたのが短編集でした。

いろんな作家の短編集とかエッセイ集や短めの小説などを古本屋で漁って、一年間で350冊読めました。

古本屋巡りで出会ったのが星新一の初期の作品「ボッコちゃん」だったんです。

新潮文庫初版『ボッコちゃん』

 

星新一の自選50編を収めた新潮文庫で、解説 を筒井康隆、表紙カットは真鍋博です。

なんか落語のオチ(?)みたいなのもあって、ものすごく興味を引いたんです。

これがきっかけで、星新一愛に目覚めたんですね〜(笑)

以来、星新一と名の付く書籍と記事に首っ丈となっています。

新潮社の出版はほ全部読みましたし、同じタイトルでも早川・角川など、他社の出版も読み漁りました。

時事的な要素がほとんどなく、いつ読んでもオチや皮肉に思わず笑ったり、感心したり出来る秀逸なショートショートです。

 

ショートショートと言う形式は、1920年代にアメリカの雑誌『コスモポリタン』で考え出された形式のようです。

Front cover of Cosmopolitan magazine for November 1917

 

日本では、都筑道夫が「ショートショート」という言葉を紹介し、星新一によってショートショート形式が一般に広められました。

 

星新一は一コマ漫画の収集でも有名で、この辺りに彼の発想や文章のシニカルなところが納得出来ますね。

ジョルジュ・ビゴーの「魚釣り遊び」(Une partie de pêche)。 『トバエ』1号(1887.2.15) 魚(朝鮮)を釣り上げようとする日本と中国(清)、横どりをたくらむロシア

 

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星新一とは?

テレビの宣伝に登場した星新一一家

左から、星新一本人、長女ユリカさん、次女マリナさん

お母さま精さん、奥さまの香代子さん(旧姓・村尾)

 

星 新一(ほし しんいち、本名:星 親一)、1926年〜1997年、日本の小説家、SF作家。

父は星薬科大学の創立者で星製薬の創業者、星一。

星一
 

星薬科大学

 

森鷗外は母方の大伯父にあたる。

森鴎外

森 鷗外(もり おうがい、1862年〜1922年、日本の明治・大正期の小説家、評論家、翻訳家、教育者、陸軍軍医(軍医総監=陸軍中将相当)

 

本名の親一は父一のモットー「親切第一」を略した物です。弟の名前の協一は「協力第一」の略だとのことです。

1926年、東京府東京市本郷区曙町(現・東京都文京区本駒込)に生まれます。母方の祖父の家がある本郷で1945年まで育ったようです。

母方の祖父母は帝国大学医科大学長で解剖学者の小金井良精と、

小金井良精
 
森鷗外の妹、歌人で翻訳者の小金井喜美子です。
小金井喜美子
 

星は、東京女子高等師範学校附属小学校(現・お茶の水女子大学附属小学校)を経て、東京高等師範学校附属中学校(現・筑波大学附属中学校・高等学校)に進みます。

 

附属中学の同期には、今村昌平(映画監督)がいます。

今村昌平

 

対米開戦に伴い英語が適正語となり、入試から除外されることを見越して他の学科に力を入れて、旧制の官立東京高等学校(現・東京大学教養学部及び東京大学教育学部附属中等教育学校に継承)に入学しました。

しかし戦後になってから英語力の不足を補うため今日泊亜蘭の個人授業を受け、かなり苦労したといいます。

 

高等学校在学中、満16歳の時に1年間の寮生活を経験しますが、当時の学校について、

 

「入ってみてわかったことだが、この学校はとてつもなく軍事色が強く、教師だけならまだしも、生徒たちの多くもそのムードに迎合していたので、うんざりした。着るものはもちろん、食うものもだんだん不足してくるし、学校は全部が狂っているし、まったく、どうしようもない日常だった」

 

寮生活についても、

 

「不愉快きわまることばかりで、いまでも眠る前に思い出し、頭がかっとなったりする」

 

と語っています。

 

1948年、東京大学農学部農芸化学科を卒業し、高級官吏採用試験である高等試験に合格しますが、内定を取ることに失敗してしまいます。

父一は役人嫌いで、受験したことがバレて厳しく叱責されたといいます。そして星は東大の大学院に進学することになります。

在学中の1949年、同人誌「リンデン月報」9月号にショートショート第1作『狐のためいき』を発表しています。『セキストラ』以前に発表されたショートショートです。

 

1951年、父一が急逝したため大学院を中退し、星製薬を継ぐことになります。当時の星製薬は経営が悪化しており、会社を大谷米太郎(ホテルニューオータニ創業者)に譲るまでの間、相当な苦労をしたようです。

星は、

 

「この数年間のことは思い出したくもない。わたしの性格に閉鎖的なところがあるのは、そのためである」

 

と語っています。

星製薬にまつわる経緯は、星一への官僚や官憲の執拗な妨害が、星新一の『人民は弱し 官吏は強し』に描かれています。

 

会社を手放した後、病を得てその病床でレイ・ブラッドベリの『火星年代記』を読んで感銘を受け、星はこの出会いがなければSFの道には進まなかっただろうと回顧しています。

星は厳しい現実に嫌気が差し、空想的な「空飛ぶ円盤」に興味を持つようになって行きます。

たまたま家の近くにあった、日本最初のUFOの研究団体「空飛ぶ円盤研究会」に参加します。この研究会は三島由紀夫、石原慎太郎が加わっていたことでも知られています。

 

1957年、「空飛ぶ円盤研究会」で知り合った柴野拓美らと日本初のSF同人誌『宇宙塵』を創刊します。

柴野拓美

柴野 拓美(しばの たくみ、1926年〜2010年)、日本のSF翻訳家、SF作家、SF研究家・評論家。

 

第2号に発表した『セキストラ』が大下宇陀児に注目され、当時江戸川乱歩が責任編集を務めていた「宝石」に転載されたことで商業誌作家デビューを果たします。

大下宇陀児

大下 宇陀児(おおした うだる、1896年〜1966年)、日本の探偵小説作家。本名、木下龍夫。別名、XYZ。

江戸川乱歩

江戸川 乱歩(えどがわ らんぽ、1894年〜1965年)、日本の推理小説家、怪奇・恐怖小説家、アンソロジスト(アンソロジー=複数の作家による選集)。

 

1960年『ヒッチコック・マガジン』8月号~11月号に掲載された「雨」「その子を殺すな!」「信用ある製品」「食事前の授業」と、『宝石』9月号、11月号に掲載された「弱点」「生活維持省」の計6編のショートショートで、第44回直木賞(1960年下半期)の候補に上がりました。

ヒッチコックマガジン 1960年1月号。

 

1953年、福島正実が主導した日本SF作家クラブの創設に参加。

同年、、怪獣大ブームを巻き起こしたウルトラシリーズ第1作『ウルトラQ』の企画会議に加わっています。

以降、40〜50代ながら、SF界では「巨匠・長老」として遇されています。

 

1983年秋に「ショート・ショート1001編」を達成します。ただし、色々な雑誌にショート・ショートを発表していたため、1001編目の作品がどれかは特定されていません。

 

その後創作活動はかなり減っていきますが、星新一は、自身の作品が文庫で再販されるたびに、現代にそぐわないと思われる表現を改訂し続けていきます。

 

1994年に口腔癌と診断され、手術を受けています。

入退院を繰り返しますが、1996年4月4日に自宅で倒れて東京慈恵会医科大学附属病院に入院。

肺炎を併発して人工呼吸器の必要な状態になりますが、人工呼吸器を外すことができる状態となった二日後の4月22日の夜中、酸素マスクが外れ、呼吸停止に陥っているところを看護師に発見されます。

それ以後意識を取り戻すことはなく、1997年12月30日18時23分、高輪の東京船員保険病院(現・JCHO東京高輪病院)で間質性肺炎のために亡くなりました。享年71歳。

 

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星新一書誌

※※※新潮文庫※※※

書誌といっても、網羅的には書ききれませんので、新潮文庫を画像で紹介してみます。

 

 

※※※マイベスト5※※※

数多くの作品の中から、私のマイベスト5を紹介してみます。

(ここにあげた5選は全て絶版ですが文庫で読めます)

 

人造美人

新潮社

1961年2月

短編集 収録作品

「人造美人 ―ボッコちゃん―」「おーい でてこーい」「生活維持省」「廃墟」「たのしみ」「年賀の客」「包囲」「患者」「雨」「螢」「愛の鍵」「水音」「早春の土」「月の光」「鏡」「天使考」「冬の蝶」「最後の地球人」「食事前の授業」「セキストラ」「空への門」「ツキ計画」「開拓者たち」「宇宙通信」「探検隊」「最高の作戦」「桃源郷」「親善キッス」「信用ある製品」「処刑」

 

ようこそ地球さん

新潮社

1961年8月

短編集 収録作品

「ようこそ地球さん」「来訪者」「狙われた星」「人類愛」「傲慢な客」「弱点」「約束」「友好使節」「霧の星で」「通信販売」「宇宙からの客」「復讐」「待機」「思索販売業」「暑さ」「猫と鼠」「西部に生きる男」「テレビ・ショー」「マネー・エイジ」「デラックスな拳銃」「悪を呪おう」「証人」「最後の事業」「見失った表情」「ずれ・ずれ・ずれ・ずれ」「闇の眼」「小さな十字架の話」「殉教」

 

悪魔のいる天国

中央公論社

1961年12月

短編集 収録作品

「合理主義者」「調査」「デラックスな金庫」「天国」「無重力犯罪」「ロケットと狐」「誘拐」「情熱」「お地蔵さまのくれた熊」「黄金のオウム」「シンデレラ」「こん」「ピーターパンの島」「夢の未来へ」「肩の上の秘書」「殺人者さま」「ゆきとどいた生活」「夢の都市」「愛の通信」「脱出孔」「もたらされた文明」「エル氏の最期」「サーカスの旅」「かわいいポーリー」「契約者」「となりの家庭」「もとで」「追い越し」「診断」「告白」「交差点」「薄暗い星で」「帰路」「殉職」「相続」「帰郷」

 

ボンボンと悪夢

新潮社

1962年7月

短編集 収録作品

「椅子」「雪の夜」「処方」「凝視」「夜の道で」「夢の男」「利益」「不運」「症状」「顔のうえの軌道」「友を失った夜」「健康の販売員」「むだな時間」「乾燥時代」「囚人」「白昼の襲撃」「転機」「宇宙のネロ」「オアシス」「賢明な女性たち」「宇宙の指導員」「上流階級」「夜の侵入者」「鋭い目の男」「再認識」「目撃者」「報告」「循環気流」「専門家」「年間最悪の日」「模型と実物」「老後の仕事」「悪魔のささやき」「組織」「報酬」「すばらしい食事」

 

宇宙の挨拶

早川書房

1963年8月

短編集 収録作品

「宇宙のあいさつ」「願望」「貴重な研究」「小さくて大きな事故」「危機」「ジャックと豆の木」「気まぐれな星」「対策」「宇宙の男たち」「愛用の時計」「悪人と善良な市民」「不景気」「リンゴ」「解決」「その夜」「初夢」「羽衣」「期待」「反応」「治療」「妖精」「タイム・ボックス」「景品」「窓」「適当な方法」「運の悪い男」「贈り主」「タバコ」「初雪」「被害」「白い記憶」「救助」「繁栄の花」「泉」「美の神」「ひとり占め」「冬きたりなば」「プレゼント」「奇妙な社員」「砂漠の星で」「夜の流れ」「あとがき」

 

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ショートショート各編に好きなものがあるのですが、書ききれないので、書籍の紹介に止まりました。

機会があれば、各ショートショートの感想なども書いてみたいと思っています。

ここで紹介してませんが、かつてNHKテレビで星新一のショートショートをアニメ化したものを放送していとことがあります。

YouTubeに動画があるようですので、探してみると面白いかもしれませんね。

 

最後に星新一の次女星マリナさんんことを少し・・・

(Wikipediaより引用)

星 マリナ(ほし まりな(Marina Hoshi Whyte)、 1963年10月7日- ) は、ライター、翻訳家、反戦運動家。SF作家、星新一の次女。祖父は星薬科大学創立者の星一。曾祖父は解剖学者の小金井良精、曾祖母は森鷗外の妹であり歌人の小金井喜美子。

 

東京都品川区出身。名前は生まれる前年の1962年に打ち上げられた金星探査機・マリナー2号に由来する。姉と共に幼稚園から青山学院に通う。中学の国語教科書に父の作品が掲載されていたが、学校側に気を遣われたのか授業では星作品を飛ばされた。高校時代に文化祭の実行委員を務めた折、父を母校に招いて講演を実現。青山学院大学文学部在学中に全日本学生サーフィン選手権4連覇を達成。大学卒業後、サーファーマガジン日本版編集部、『日立 世界・ふしぎ発見!』のリポーターなどを経て、ハワイ州オアフ島へ移住。サーフィンやハワイに関するコラム執筆ほか、サーフィンDVDの字幕翻訳なども手がける。2001年より反戦団体「ワールドマップ (WorldMAP: World Mothers Acting for Peace―平和の為に行動する世界の母親達)」代表。夫は元プロウィンドサーファーのリチャード・ホワイト。2007年現在、星新一作品の英訳に取り組んでいる。好物はコロッケ。

 

著作

  • 『わたしの波乗り日記in Hawaii』角川書店〈角川文庫〉、1985年1月。ISBN 4-04-160901-1。

  • 星新一、星マリナ『スター・ワーズ 星新一の名言160選』江坂遊編、樹立社、2010年10月。ISBN 978-4-901769-49-5。- 星マリナの書き下ろしショート・ショートを3編収録

 

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ご訪問ありがとうございました

  

空想科学小説三部作、かなり長くなってしまいました。

世の中には

未確認飛行物体とか

未確認生物とか

宇宙の起源とか

深海の生物とか

人類の

未知の部分はたくさんあり

私のSF小説愛はまだまだ続きます

 

今回も怪しいとこがあったかも

しれません

?な内容がありましたら

ご指摘いただければ

訂正して

さらに勉強させていただきます

 

記:現役老人

 

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