10年程前、横浜美術館へ東山魁夷の回顧展を見に行った時のことをふと思い出した。
《山雲》という大きな障壁画がとても印象に残っている。
深い山々から雲が湧き上がり、同時に山々を消してゆく瞬間のような絵。
どうして突然あの障壁画を思い出したのだろうか。。
僕は最近筆を止めている。
でも描くことを完全に止めている訳ではなく、日常の中でふと考えたり思い出したりしている。
描くことを止めている時間は、自分と絵との間に少しだけ距離ができる。
そしてその隙間でつらつら考えごとをしたりしてる。
あれ?僕はどんな絵を描きたいと思っていたんだっけな?
何を表現したくて毎日筆を持っていたんだっけ?
あの表現は本当に僕の意思とイコールだったのかな?
そもそも僕のモチーフってなんだ?
あ。僕が動いているんだ。
僕の心が動いている。
過去に描いたものと、今の自分の心境とのギャップがこう思わせたのかな。。
過去に描いたものは、確かにその時の僕が描いたものなんだけど。
自分も動いているんだな。
動いている。
漂っている。
でも漂いながらも変わらぬもの。
それもまた確かに在る。
僕は何であの表現に躊躇したのだろか?
僕は何で何度も消したのだろか?
きっとどこか自分の中に自身で認識できない迷いがあったんだろな。。
突然、東山魁夷の《山雲》を思い出し、あの迷いのない表現、シンプルでストレートな表現に我が身を顧みる。
長旅になりそうです。
