誰でも同じ経験があるのではないかな。
一冊の本をボロボロになるまで読んだこと。
夜遅くまで時間を忘れ読みふけったこと。
布団にもぐり夢中で読んだこと。
少年の頃、我が家の本棚に一冊の本があった。
「冒険手帳」
その名のとおりサバイバルで生き残るための様々な知恵が書いてある本だ。
そして冒険に憧れる少年にとって「冒険手帳」はまさに未来のバイブルだったのだ。
火のおこし方
ナイフの使い方
ロープの結び方
寝床の作り方
便所の作り方
罠の作り方
仕掛けの作り方
飲み水の作り方
ビバークの仕方
野草の見分け方
動物の見分け方や対処方法
動物のさばき方等々
その本を夢中で読んでいる間、文字通りわたしは夢の中にいた。
大人になったら自分もこんなにすごい冒険家になるぞ!と胸を躍らせていた。
おそらく本気だったんだと思う、少年だもの。
今でもたまにその本のページをめくる時がある。
夢中な少年にとって、世界は果てしなく広いものだ。
今のわたしは、こころのひとり旅を続けているけれど、これも一種の冒険なのかもしれない。
広大な世界を歩くひとり旅なのだから、冒険的要素は十分に含んでいる気もする。
焚き火の炎を見つめたり、流れる川を見つめたり、滝を打つ水を見つめたり。
星を眺めて眠ったり、獣の足跡を辿ったり、霧の中に入ったり。
『ご立派な中年』となったわたしにも、巡り巡って再び冒険をする時期が訪れたのかもしれない。
冒険とまではいかなくとも、ひとりテントを張り、ひとり焚き火を見つめ、ひとり歩く。
そんな気ままなひとり旅でもしようかと最近思う。
こころのひとり旅。
テントと焚き火のきままなひとり旅。
どちらも同じひとり旅。
旅のお供に「冒険手帳」。