昔昔のお話じゃよ | hitori tabi

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~ ひとり旅 ~

当時の虎ノ門ヒルズ (参考)



昔昔のお話じゃよ。
まだ地球にニンゲンがいたころのお話し。
まだ地球が青かったころのお話し。

西暦2014.06.11、虎ノ門という場所に大きなビルディングが生まれた日、
季節はずれの大雪が降ったそうじゃ。

未来の東京は、ここからはじまる!
Hallo,Mirai Tokyo! と口々に鼻歌を歌い、それはそれは賑やな街だったそうじゃ。

その後も、街には遊園地や水族館、美味しいものがお腹いっぱいに食べられる自由レストラン、空飛ぶ自転車、ピピットオシャレ宝石自動販売機、たくさんのビルディングが建ち並びそれはそれは賑わったそうじゃ。

わしは思うんじゃが、ニンゲンはココロの中で半分はきっと気づいておったんじゃ。
でも、ニンゲンにはそれを止めることはできなかった。
そこから未来が必ずやってくると思いたかったのかもしれんな...。

それからも、ニンゲンは夢中で様々なものを創り出したんじゃ。
それはそれは、驚くようなモノが未来に向けて創り出しされた。
じゃが...未来はな...来なかったんじゃよ...。
なぜならニンゲンは、創り出すことに夢中で、手放し捨ててきた大切なものをすっかり忘れておったんじゃ...。

やがて、地球はニンゲンが創り出したもので埋め尽くされた。
道も川も海も空も地も、すべてコンクリートで埋め尽くされた。
もちろん、ニンゲンが創り出した海はあった、木も空もあった、でもそれはすべて作りものだったんじゃ。

ニンゲンが気がついたときは、もう何もかもなくなっておった...。
生き物たちの姿はすべて消え、もちろん生き物たちの仲間であるニンゲンの姿もすべて消えてなくなってしまったそうじゃ。
残ったのはコンクリートの一つ星だけじゃった。
今もコンクリートの一つ星は、寂しそうにひとりぼっちで宇宙を漂っているそうじゃ...。


これは昔昔のお話じゃ。
わしもじい様から聞いたお話じゃ。

え?わしだけたが、どうして生きておるのかって?

それはわしがニンゲンでないからじゃよ。

ニンゲンでないなら何者かって?

それは、わしにもわからんよ。
わしは、おるかもしれんし、おらんのかもしれん。
わしにもわからんよ。

未来のことじゃ、わしにもわからんよ。