ペットが人間と共に生活する以上、多少なりとも“作法”が必要になります。たとえば、食べ物を散らかして食べるような行動は、好ましくありません。つまり、最低限の作法(飼い主が許容できる範囲)が身についていなければならないのです。
この“作法”は、飼い主のためだけでなく、実はペット自身
特に犬にとっても、精神を安定させるために必要なことなのです。あまり意識されていませんが、作法が身についていないことで、知らず知らずのうちに犬の心が不安定になってしまう場合もあります。
たとえば、家に来客があったとき。単純に「静かにしていなさい」としつけを強化するより、「来客に頭を撫でさせる」という行動を犬に強制した場合、犬によっては反発することもあります。それは人間にとって“理想的なふるまい”かもしれませんが、本来犬の自然な行動とは異なってしまうのです。
犬に「どう行動すればよいか(作法)」を教えていなければ、犬は混乱し、強制されることがストレスとなってしまいます。その結果、無気力になり、寝てばかりで自発的な行動が少なくなってしまうのです。これは、「ご褒美がないからやらない」という単純な問題ではありません。
また、ご褒美としての「おやつ」も注意が必要です。代償として食べ物をもらう習慣がついてしまうと、犬はなかなかそれをやめられず、食べ過ぎてしまうことがあります。その結果、栄養バランスが崩れて健康に悪影響が出てしまいます。おやつはほどほどにしておきましょう。
このように、ペットが日々対応しなければならない出来事は突発的に起こり、そのたびに人間の都合に振り回されがちです。ペットは少し体調が悪くても反応して興奮することがあります。だからこそ、過度に興奮させるより、飼い主がよく様子を見てあげることが、ペットの無気力を防ぐことにつながるのです。
「強制すること」がすべて悪いのではありません。重要なのは、生活の中に“ギャップの少ない習慣”を作ることです。そうすることで、ペットの精神は安定し、心身ともに健やかに過ごすことができるのです。
