某難関校で「私立文系コース」が廃止される旨がSNS上で噂になっています。

が、個人的には反対です。

私自身、数学偏重の中高一貫校で辛酸をなめつくしたため、数学が苦手な子が学校で強制的に数学をやらされ続けることがどれだけ辛いことなのかがよく分かっているからです。

「私立文系コース」廃止の背景には、理系や国公立大学への合格者を増やしたいという学校側の思惑があると思われます。

これがまた曲者です。

学校で数学の授業をやるだけならまだいいんです。

が、「私立文系コース」廃止を謳っている学校の多くは、いわゆる「管理系」の学校です。

数学が苦手な子を数学から逃げられないようにし、ガンガンに管理して強引に数学テスト漬けにしようとする意図（というか悪意）が見え隠れするのが気になります。

ここでいう数学というのは、いわゆる受験のための数学。

数学を好きになってもらおうとか、理数系思考力を養おうという視点が欠けているようにも見受けられます。

下記にも書いている通り、私は「数学虐待」とも言える中高時代を過ごしてきました。

現在の首都圏でも、「私立文系コース」を廃止し、これと類似した「数学エンドレス追試」を日常的に実施している学校があると聞きます。

数学の苦手な子にとって、これは拷問以外の何物でもありません。

しかも、これだけの労苦を伴いながら、肝腎の大学受験には有害無益な場合もあります。

私の場合は、結局学校とは別の方法で、大学受験のために数学を一から勉強し直す必要がありました。

そんなことに付き合わさせられるくらいなら、その時間を他教科の勉強に使った方がはるかにマシです。

また、受験で数学が必要だったとしても、例えば共通テストレベルのみで十分ならば、学校で強要される数学がオーバースペックである場合も少なくありません。

あと気になるのは、こうした「私立文系コース」廃止が、男子校や共学校ではなく、なぜか女子校を中心に騒がれているということ。

昨今では大学の理系学部で女子学生を増やそうとする動きが活発になってきているので、高校側もそれに対応して、女子に理系教育を推進しようとするのは頷けます。

しかし、そうであるならば、なぜ女子校を中心に「私立文系コース」廃止の話が出てきて、共学校でそういう話が出て来ないのかが不思議です。

女子に「私立文系」という受け皿を作ると（男子よりも）そちらに逃げがちなので、あえて女子に対して文系の門戸を閉ざすという、新手の女子差別、文系差別のようにも見受けられます。

SNSでは、女子校の「私立文系コース」廃止に対して好意的な意見が多いようですが、「数学虐待」を経験した私には、これが本当に女子の理系教育推進に直結するのか正直疑問です。

「私立文系コース」廃止の是非について