今日は五大宝石のひとつ、ルビーについてお話します。
ルビーとサファイアは鉱物名としてはコランダムという鉱物に属します。ルビーとサファイアは、 鉱物学的にいうと兄弟であるといえます。 酸化アルミニウム、いわゆる陽極酸化被膜(アルマイト)です。聞きなれない言葉ですが、身の回りのいたるところに存在します。 ようするに、アルミです。そして、アルマイトを溶かして冷やすだけでコランダムの結晶となります。
 不純物が非常に少ない純粋なコランダムは無色透明で、しかも高い屈折率により強い輝きを示しますが(無色サファイア)、 宝石用途として用いられることは殆どありません。
 しかし、わずか1%程度の微量のクロムを不純物として合むことにより、ルビーになるのです。この微量な不純物の量が微妙で、 これが0.1%となるとピンクになり、ルピーには届かずピンクサファイアと鑑別されます。 それが多過ぎて5%以上になると灰色のエメリーと呼ばれる灰色の工業用の研磨用途の鉱物になり、価値はなきに等しくなります。
 しかし、ルビーが希少な宝石なのはそれだけではなく、不純物として含まれるクロムの存在が大きな理由です。 コランダムに適度なクロムが含まれるという事自体が稀にしか起きないのです。 何故なら、クロムは珪酸分の少ない塩基性または超塩基性と呼ばれる火成岩に含まれますが、 コランダムは一般には珪酸分の多い酸性岩質の、しかも珪酸分が多過ぎては他の鉱物になってしまうという微妙な条件の下で生成します。 即ち通常ならコランダムにクロムが含まれることはあり得ないのです。しかし、実際にはルビーは存在するのですから、 あり得ない何か特別なことが起こったことになります。まさに、ルビーはルビーであるだけで特別な存在なのです。
私もルビーは大好きな宝石のひとつです。
ルビーの赤色は愛らしく情熱的でとても魅力的ですよね。
ちなみに「ルビーは60歳からの宝石」と言われています。一見、赤い色は若い人の方が似合うように思われがちですが、ルビーの深紅は経験や知識を重ねたご婦人の手にこそ映える宝石なのかもしれませんね。