あっv

鬼さん見~つけたっ!

持っていったものを
出してくれたら、

春風のめっ、だけで
済ませてあげますから――

大人しく出てきて~?

……

あらっv

いたずらをして
どこかへ行ってしまった、

困った霙ちゃんかと思ったら――

世界一大切な大切な――

春風の王子様じゃありませんかv

チビちゃんたちと
かくれんぼ?

うふふ――v

やっぱり運命で結ばれている
春風と王子様は――

何をしていても
こうして出会ってしまうのねv

――きゅんv

あーんでも、
運命って残酷――。

王子様と出会ったのがこんな――

いつ誰が通るかわからない
クローゼットの前だなんて――

これじゃゆっくり王子様と
語らうことも出来ないわ……

ちょうどやらなければ
いけないこともあるし――。

あ、そうでした――。

霙ちゃんを探さなくっちゃ――。

王子様はどこかで
ご覧になりました?

もう、霙ちゃんったら――。

昨日は珍しく
率先してお手伝いしてくれたのに。

学校にいる時みたいに
キリッとしていて――

もし王子様が春風より
年上だったら、

あんな感じなのかしらv

――きゅんっv

って想像して――

思わず今年は、

霙ちゃんの分も
チョコ用意してあげちゃおうかと
思うくらい素敵な感じだったのに――。

なのに一晩明けたら、

まるで魔法の解けた
シンデレラみたいに――

すっかりいたずらっ子に
戻っちゃいました――。

早く霙ちゃんを見つけないと、
このままじゃ――

節分が出来ません!

どうしてこんなこと
思いつくのかしら――?

家中の節分豆を
あずきと入れ替えるなんて――。

おやつのお汁粉が
今年は少なかったみたいなことも
なかったはずだけど――。

王子様、

霙ちゃんを見つけたら
キッチンまで連れてきてください。

くれぐれもお菓子に釣られたり、

昨日みたいにべたべたくっつかれたりして
ごまかされないで下さいねv

お願いね、王子様vv

-あとがき-
春風姉は結構気が多い……