立夏姉じゃは
何をしておられるのじゃろうな。

ここ数日何やら
金切り声をあげておるが――。

あの声は一体――?

わらわたちより
耳の良いキュウビは

声を聞くたびいちいち
立ち止まっては警戒し――

庭先に来ていた小鳥めらも
すっかり寄り付かなくなって
しまったのじゃ――。

……

立夏姉じゃはもうお帰りか――?

ああ、

今日は離れに
こもられたか――。

昨日はあさひのお昼寝から
起きてしまって
大変だったようじゃからの。

ところで兄じゃは近くで
聞いたことがあろうか、

かわゆい立夏姉じゃが
発したとは思えぬあの声を――。

わらわもお昼寝の時間は
しっかり寝てしまい、

滅多なことでは起きぬゆえ
直接聞いたことは無いのじゃが、

夕凪姉じゃが
教えてくれた――。

立夏姉じゃの声は何といったか――

龍のような名前の西洋の人面草が
引きぬかれた時に上げる声の
ようじゃった、と。

うむ――

それは尋常ではないの。

――よし!

兄じゃ、
わらわとこっそり
離れに聞きに行くのじゃ!

おっと勘違いめされるな!?

決して――!

怖いもの見たさでは
ないのじゃv

立夏姉じゃは懐が深いゆえ、

行く先々で魑魅魍魎やら何やらを
本人も気づかぬうちに
色々連れきてしまうのじゃ、

よきものもそうでないものも――。

そしてあの声じゃ――

よもや夕凪姉じゃの見せてくれた
絵本にいた、

西洋の泣き女あたりが
取り憑いているかもしれぬじゃろ?

そうであれば――コトじゃ、

手を打たねば――!

魑魅魍魎より
家族を守るのが
わらわたちの務めv

一刻も早く、
立夏姉じゃをお救いするのじゃvv

クフフ――v

-あとがき-
べびプリ日記風SS
明日は劉備回か