人に会ったら
ご挨拶――。

神聖な場所へは
お辞儀して入り、
お行儀座り――。

おばぁの教えと
姉じゃらの真似っこで、

わらわ、行儀作法は
完璧じゃ!

いつ兄じゃのお嫁に参っても
恥ずかしくないぞよv

もちろん外から帰ったら
前足をごしごしあらったり、

物をもらったら
お礼を言うのも忘れては
ならぬ作法じゃの!

だというのに――

吹雪姉じゃに
飴ちゃんをもらった
お礼をちゃんとして――

なんでわらわが怒られるのじゃ!!

観月のやつめ、

自分だっていつも兄じゃに
ありがとう――とぎゅっを
しておるではないか!

わらわはそれに加えて
お鼻ですりすりまで
したのじゃぞ?

それなのになんでじゃ!

もう観月など知らないのじゃ!

フン――なのじゃ。

そういうわけで兄じゃ――

小さな心に傷を負ったわらわを
優しく慰めてたもv

なに、特別なことを
してもらおうというのではない。

ただわらわと――でぇとして
くれればよいv

くふふv

期待のあまり
舶来の言葉など使ってしもうたv

――ん?

むぅ――

これは観月への腹いせなどでは
決してないぞ?

兄じゃはいけずじゃの。

おなごの気持ちがわかっておらぬ。

じゃがその稚気も
かわゆいぞ、兄じゃv

――よいよい。

わらわがたっぷり、

おなごというものを
教えてさしあげようv

くふふv

ではどこへ参ろうか?

春なら花のよく咲く場所を、

夏なら涼しき水の流れる場所を
知っておるのじゃが――

おお、そうじゃ、
あそこがよかろうv

今ならば小山の上、
社にて雪を眺めるのが一番じゃ!

この街では珍しい雪を――

存分に楽しもうではないかv

わらわと一匹のけものに
なったかのごとく肌寄せ合えば、

寒さもへっちゃらぞv

そのまま雪に包まれた
音なき世界で――

兄じゃと契りを結ぶのも
よいかもしれぬの?

コンvvv

-あとがき-
べびプリ日記風SS番外編
裏山の社が家周辺のデートスポットとして
お手軽すぎる……

それはともかく今日は雪でどこも大変だったようで。
皆様御怪我等されてないでしょうか。