Dear――

冬休みも後3日。

私は今――

春からの下宿先候補の中で
一番気に入ったお家で
この――

出せない手紙を書いています。

ここは童話に出てくるような
素朴な家で――

きっとユキや夕凪だったら
夢中になって
探検してまわるに違いないわ。

写真もいっぱい撮ってあるけど――

あんまりカワイすぎて
霙姉様に似合わないって
からかわれそうだから、

あなたとユキにだけ
こっそり見せてあげる。

……

留学のことは――

ユキが元気になって
何で今更って思うかもしれないけど――

だからこそ
もう一度見つめ返す機会が
欲しかったの。

私のこと、

ユキのこと、

そして――

私とあなたのこと――。

……

4月の最初の日、

初めての業務日誌が
あなたから返ってきたとき――

ようやくあなたの気持ちがわかって――。

いえ、きっと――

ねえ、
あなたは覚えている?

私がめんどくさくなって
あなたに日記を書かせたこと――。

あの日記に書かれていた、
たくさんの“お兄ちゃん”って言葉――。

あの時から、

あなたの気持ちは
変わってないのね――。

私はあなたが怖くって
ずっと逃げ続けてきたけど――。

昔の私を夕凪みたいに
ゴチンってして、

その怖さが恋なのよって
教えてあげていたら、

あなたと素直に向き合っていたら、

少しは変わっていたかしらね?

今となってはどうすることも出来ないから、

とりあえずこれからたくさん
後悔させてあげる――。

私を他の家族とおんなじように――

妹にカテゴライズしたこと――。

休みの度に前よりずっといい女になって
帰って見せるんだから!

……

やだ――。

せっかく置いてあったからって、

慣れない羽ペンなんて
使うもんじゃないわね。

インクがにじんで
読めたものじゃない――。

だから最後にひとつだけ――

ご主人様から、

最後の命令を――。

そして――

あなたの妹から、

最初のお願いを――。

ユキを――よろしくね。

私がいない間に
何かあったら許さないんだから――。

もちろん他の妹たちも
手を抜いたら許さないわ。

それから――

意外に頼りない姉様たちを
ささえてあげて。

こう見えても――

実は結構、

頼りにしているんだから――。

だからお願いね――。

私の大好きな――

……

“お兄ちゃん”。

-あとがき-
べびプリ日記風SS
あけましておめでとうございます。

さて今回はウチの氷柱の現時点でのトゥルーエンド、
といったところでしょうか。
というか例の4/2の日記を見てこんな方向性しか
思いつかなかったという……。