家全体に
春の香りが満ちている――
朝もやのような
濃厚な甘い香りと、
その隙間に挿し込む
日差しのような酸い刺激。
我が家では
クリスマスのケーキに鎮座し、
あるいはチョコフォンデュに
投入されることの多い、
赤い宝石、イチゴの香りだ。
しかし――
残念ながら
この香りの出所は、
赤く輝き
果汁の滴る果実からではなく――
人工のフレーバーに
よるものだ――。
驚くほど忠実に
再現されているが、
それだけに落胆も大きい。
夏に甘味と涼を求めて
ゼリーを口に放り込んだら、
煮こごりだったくらいの残念ぶりだ。
しかもよりにもよって
このフレーバーの正体はというと、
春風が友達に貰ったという
変わり種のボディソープなんだ。
せめて食べ物であったなら
あんな目には――
はあ――
いや、こちらの話だ。
……
本来フレーバーだけなら
ここまで家中に
充満することは無い。
が――
私が騙されるほどの
魅惑的な甘い香り――
しかもボトルは
ポンプ式ではなく、
まるでかき氷のシロップでも
入っていそうなカタチでな?
立夏や夕凪、
あるいはさくら以下の
小さい妹たちが口に含みかねない
見た目だったのだ。
だから――
妹たちに説明した上で
今日中に使い切る作戦に出た。
姉の監視のもと
お風呂で使えば、
危険はないし――
この人数だ、
変わり種の入った
小さいボトルなら
容易に使い切れる。
だがフレーバーは
思いの外強力で――
おかげですっかり――
家中春の香り、
というわけだ。
氷柱のように
執拗に洗い流せば別だが、
フレーバーは体に染み付き
姉妹全員からイチゴの
甘い匂いが漂っている。
もちろん私からも、
ほら――
どうした?
ハグくらい立夏で
慣れているだろ?
いやなに――
密着したほうが
香りが分かるかと思ってなv
クスクス――v
ん、口元からも匂う?
そ、それは――
気のせいだ。
……
あ、ああ、
そうだ――
イチゴの香りで
すっかり頭に春風が吹き荒れた
とある妹が、
湯上りに乳液をすり込みながら、
今の春風はいちごミルク、
王子様に食べて欲しいのv
とか言っていたぞ。
夜更けに
オマエの寝室に押しかけるかもなv
フフ――
なんなら、
私が匿ってやろうか?
日本茶をいれてきたなら、
とっておきの和菓子でもてなすぞ♪
さっきオマエが堪能した
すべすべもち肌の――
いちご大福を食べたいというのなら
考えてやってもいいがv
フフ――
そう硬く考えるな。
たまには二人のお茶会もいいだろ?
ゆるりと姉弟の
積もる話に花を咲かせよう――。
私は先に部屋で待っていよう。
オマエはとびきり
熱いお茶をいれてこい――。
夕食を経ても
舌の上に残る――
あのエグ味を洗い流せるような
熱いお茶を、な――。
-あとがき-
べびプリ日記風SS
公野櫻子先生オンリー参加の皆様
お疲れ様でした~。
一般参加で楽しんできました!
風邪やらイベントやらで久々の更新になってしまったorz
春の香りが満ちている――
朝もやのような
濃厚な甘い香りと、
その隙間に挿し込む
日差しのような酸い刺激。
我が家では
クリスマスのケーキに鎮座し、
あるいはチョコフォンデュに
投入されることの多い、
赤い宝石、イチゴの香りだ。
しかし――
残念ながら
この香りの出所は、
赤く輝き
果汁の滴る果実からではなく――
人工のフレーバーに
よるものだ――。
驚くほど忠実に
再現されているが、
それだけに落胆も大きい。
夏に甘味と涼を求めて
ゼリーを口に放り込んだら、
煮こごりだったくらいの残念ぶりだ。
しかもよりにもよって
このフレーバーの正体はというと、
春風が友達に貰ったという
変わり種のボディソープなんだ。
せめて食べ物であったなら
あんな目には――
はあ――
いや、こちらの話だ。
……
本来フレーバーだけなら
ここまで家中に
充満することは無い。
が――
私が騙されるほどの
魅惑的な甘い香り――
しかもボトルは
ポンプ式ではなく、
まるでかき氷のシロップでも
入っていそうなカタチでな?
立夏や夕凪、
あるいはさくら以下の
小さい妹たちが口に含みかねない
見た目だったのだ。
だから――
妹たちに説明した上で
今日中に使い切る作戦に出た。
姉の監視のもと
お風呂で使えば、
危険はないし――
この人数だ、
変わり種の入った
小さいボトルなら
容易に使い切れる。
だがフレーバーは
思いの外強力で――
おかげですっかり――
家中春の香り、
というわけだ。
氷柱のように
執拗に洗い流せば別だが、
フレーバーは体に染み付き
姉妹全員からイチゴの
甘い匂いが漂っている。
もちろん私からも、
ほら――
どうした?
ハグくらい立夏で
慣れているだろ?
いやなに――
密着したほうが
香りが分かるかと思ってなv
クスクス――v
ん、口元からも匂う?
そ、それは――
気のせいだ。
……
あ、ああ、
そうだ――
イチゴの香りで
すっかり頭に春風が吹き荒れた
とある妹が、
湯上りに乳液をすり込みながら、
今の春風はいちごミルク、
王子様に食べて欲しいのv
とか言っていたぞ。
夜更けに
オマエの寝室に押しかけるかもなv
フフ――
なんなら、
私が匿ってやろうか?
日本茶をいれてきたなら、
とっておきの和菓子でもてなすぞ♪
さっきオマエが堪能した
すべすべもち肌の――
いちご大福を食べたいというのなら
考えてやってもいいがv
フフ――
そう硬く考えるな。
たまには二人のお茶会もいいだろ?
ゆるりと姉弟の
積もる話に花を咲かせよう――。
私は先に部屋で待っていよう。
オマエはとびきり
熱いお茶をいれてこい――。
夕食を経ても
舌の上に残る――
あのエグ味を洗い流せるような
熱いお茶を、な――。
-あとがき-
べびプリ日記風SS
公野櫻子先生オンリー参加の皆様
お疲れ様でした~。
一般参加で楽しんできました!
風邪やらイベントやらで久々の更新になってしまったorz