温度調節が簡便で、


その場のTPOに
あってさえいれば――


私は特に
服装に頓着しません――


しかし着用している服が、
キミに褒められれば
体温が0.5度ほど上昇しますし――


夕凪姉達が
ファッションについて話していれば、
つい聞き耳を立ててしまいます。


私自身は
機能性やキミの好みしか
評価基準を持たないため、


あまり話には参加しませんが――


もっとも――


後者の基準については、
マイナス評価がくだされる事が少なく、
あまり参考にはなりません。


ふふv


そんな私ですから
図らずもその話題に
加わる機会を得て、


少し調子に乗ってしまったようです――


冬服を仕立てるに当たり、


どのようにすれば細く見えるのかと
悩む蛍姉に、


色彩上細く見える色について
アドバイスしたのです。


もちろん、
何年も服を作り続けていた
蛍姉のことです。


私の助言内容など
百も承知だったでしょう。


しかし珍しく
私が食いついたからでしょうか?


聞き上手な蛍姉と
妙に話が弾んでしまい、


つい周りを気にせず――


体型を気にしている氷柱姉が、
膨張色である白の水着を着ていたことは


胸部のサイズを視覚的に補うことができ、
非常に合理的です、


と発言し――


折悪しく場に居合わせた
氷柱姉の手刀を


もらってしまいました――


ええ、
ずっと頭を抑えているのは
その為です。


が――


その理由はキミが想像するように、
痛みが大きいからではありません。


私は氷柱姉から初めて受けた、
この感触に感慨を覚えているのです。


――いえ、マゾヒスト的な
感情ではありません。


……


――ユキほどではありませんが、
私も氷柱姉のなかで


このようなコミュニケーションを
とっていいカテゴリの相手では、


なかったはずです。


私も非常に小さく生まれたため、
皆に心配をかけましたし――


今でさえ過剰な刺激には
弱い身ですから。


しかし――


とっさに、


しかも夕凪姉に対するのとは
格段に威力の劣るものとはいえ、


氷柱姉の
こういったコミュニケーションの対象になった、
ということは


氷柱姉の中で多少は
気を使わずにすむ相手になった、


ということなのでしょう。


ユキが、
氷柱姉に怒られたいと
こぼしていましたが――


私はその境地に
至ったのかもしれません♪


つまり――


私が感慨を覚えているのは、


私の成長と
それに伴う姉との距離感の変化を、


このような形で実感したからです。


そう考えると――


もし――


このまま成長を重ねれば、
いずれ他の姉妹や、


――キミとも別け隔てなく
コミュニケーションが取れるのでしょうか?


その時私たちの距離感は、
どのように変化するのでしょうか――?


今のように髪越しに
キミに撫でられるだけで――


少しめまいがする私ですが――


本当はもっと、
キミに触れ――


キミを知りたいと望んでいるのです。


そうすることで、
私がキミに抱いている気持ちに――


名前を付けることが
出来るでしょうから。


だから――


もし、
私がこの体内から湧き上がる
不可思議な熱量に
耐える体を手に入れたとき――


キミは私に触れられることを
許可してくれますか――?


私はもっと――


キミに近づきたいのです――


-あとがき-

べびプリ日記風SS
吹雪が活発になりそうな気温が続きます……