慌ただしい変化の時も過ぎ
落ち着きを取り戻した我が家に
再び喧騒を運ぶもの――
その名は――
健康診断です。
いつもの安穏とした空気が
徐々に剣呑な様子へと変わり、
姉たちのテスト期間以上に
落ち着くなってきます。
上の姉たちは慣れた風を装ってはいますが
しばらく前から毎食の献立を根本的に見直し
間食は慎んでいます。
私などはカロリー計算や栄養評価のため
買い物前には台所へ呼ばれますが――
あれほど真剣な春風姉を見る機会は
他ではそうそうないでしょう――
差し当たって口に出して大騒ぎするのは
大体立夏姉くらいです。
あれだけ毎日間食を続け
しかも日取りを覚えるということが無いので
対策などたてようもないのでしょう――
キミが来てからは小雨姉も
そわそわするようになり、
星花姉も緊張した面持ちでその日は登校します。
星花姉の場合、夕凪姉との身長差のほうを
気にしているのですが――
かく言う私も気になる項目は有ります――
いえ、身長でも体重でも
ましては氷柱姉のように……
家族のほぼ全員が成長期なのですから
その辺りの数値の増加を過剰に気にするのは
合理的では有りません
霙姉のようにありのままに食べるほうが
健康にいいのではないでしょうか?
話を戻すと、
私が気にしているのは――
視力です
生活に支障が無い上
生来のものなので気をつけようがないのですが――
度を越すと何らかの矯正を求められますので。
とはいえ立夏姉のメガネ騒動以降
この家でメガネをかけることには――
若干の不安を感じます
コンタクトレンズは成長途中の私の体には
推奨されないようです
となると現在の視力を維持するよう務めるのが
最善の選択でしょう
それに、ほら――
このように顔を近づければ
キミたちの顔は見えるのです
フフ――♪
家族の顔さえ見えれば
私には必要十分な視力と言えます――
……今の今まで気づきませんでしたが
よく見るとキミの顔が赤いようです――
熱でもあるのですか?
いえ、このまま熱を測りましょう
せっかく少し首を傾ければ
すぐに額が触れ合う距離なのですから――
-あとがき-
べびプリ日記風SS
これはこれで春の風物詩?