夢を見ての――
わらわは電車に揺られ、
暗い夜闇の中を行っては止まり戻っては止まり、
やがて小高い丘にあると思しき駅に付いたのじゃ。
その眼下にはいくつもの地上の星が瞬き、
わらわは思わず席の上で立ち上がった!
咎めるものもおらなかったのでの。
すると途端、窓の外は昼に変わり、
重苦しい雲の下、何とも陰鬱の町が広がっておった……
何とも言えぬ寂寥がケガレのようにわらわを包み、
ふと一人でそこにおったことに気づいた。
矢も楯も堪らず、わらわは兄じゃを探しに席を飛び降りた――
と、そこで目が覚めたわけじゃが、
誰の見た景色か知らぬが
何とも胸さわぎがしての?
麗姉じゃに尋ねると、流石餅は餅屋――
すぐに写真を引っ張り出しては
わらわの見た場所をぴたりと指さしたのじゃ!
古の昔、年老いたじじ様ばば様を捨てたというその名を聞いて、
わらわ、涙が止まらなんだ――
のう、兄じゃ――
もしもわらわたち家族がそのときに生まれておったら
どうなっておったじゃろ?
忌み子たるそちらや、
いと小さく生まれたという吹雪姉じゃ、
そして力弱ければ禍をまねくであろうわらわは――
名も与えられぬまま捨てられていたやもしれぬ……
生まれが異なるだけでこの有様。
いつの時も、世は無常――
真璃姉じゃの積み木の城の如く儚きものじゃ――
ならばせめて、いつ果てようと悔いの残らぬよう生きたいの、兄じゃ?
これだけの家族に囲まれておるわらわたちは――
三国一の果報者――
皆で楽しまねば勿体無いというものじゃ♪
さすれば兄じゃ、
今宵は庭のブランコに腰掛けて――
ともに一献傾けようぞ?
春宵一刻値千金と申すでの?
この佳き日をわらわと共に過ごすのじゃ♪
ほれ、兄じゃ。
さっそく甘いカルピスで乾杯じゃ――
とっても濃いーのを作ってきてたもれ♪
-あとがき-
べびプリ日記風SS番外編
昨日今日出かけた場所でふと感じたことがそのまま出てしまったので番外編。
先日の公式日記「満開」に影響受けてる気が……。