服装など、この滅びへと至る日々の中で、
宇宙の塵ほども気にかける必要のないものだ。
肌着と、上下に一枚ずつの着物と、
温度変化に対応するものがあれば、
それで十分なのだ――
蛍のように装うことそのものを楽しむならともかく――
立夏のように機能性を無視して肌を晒したり、
春風のように何枚も重ねる必要もない。
冠婚葬祭は制服で問題ないし、
出かけるときは妹達の世話があるから動き回れるほうがいい。
そう、見た目にこだわったところで――
私の魂は一切――躍ることはない。
そんな私がなぜオマエと、
こんなイマドキな店にいるか、
訝っているな?
意味が分からない、と――
その顔が物語っているぞ?
フフ――
私もだ。
いや、待て。
早々に出ていこうとするな。
オマエも海晴に命じられてここにいるのだろう?
ならば恐らくキッカケはアレだ。
あれは忘れもしない、
先週末、いずれか一日だったはずだ――
何てことはない新しい季節の準備のため、
少し遠くの店まで買出しに出たんだ。
あの日は姉の数に対し、
小さな妹が多くて、
私は珍しくパンツだったんだ。
何かと動きまわるハメになるのは――
目に見えていたからな。
何せ海晴が主導の買い物だ。
ここぞとばかりに私を使おうとする。
私は今年最後のこたつの息吹を、その生き様を――
感じていたかったのに。
しかし星花や小雨が良く面倒を見てくれたおかげで、
私は久しぶりに海晴と二人の時間をもてた。
いつも疲れている海晴を労おうと、
評判の甘味処へ行こうと勧めていたんだ。
そんな折、アレが起きた――
海晴の後輩、後で分かったことだが、私の同級生が――
あろうことか――
「海晴お姉様が殿方とデートだなんて!」
などと、
大声で――
確かに私は、パンツを履いていたし、
マントでこの銀河級の胸部は見えなかっただろう。
髪だって、こたつから引きずりだされてぼさぼさのままだったし、
底の厚いブーツのせいで海晴を見下ろす形だったが――
しかし――
あろうことか、この私を――
あぁ、このような騒ぎは
本当に些細なもの。
滅びてこの宇宙の塵となるまでの、
微かなゆらめきに過ぎない。
ただ――よりもよって
その子は私のクラスメートで――
よく海晴のことを聞かれていたんだ。
にもかかわらず、
私を殿方、などと――
その事を海晴が気にしたようで、
滅多に出さないポケットマネーをくれたんだ。
当然使い道が限定されていてな。
それが今日オマエがここに居る理由だ。
男であるところのオマエを横に置いておけば、
私を殿方などと――
殿方、などと――
さぁオマエのセンスで
私の装いを見立てるがいい。
私はオマエの、
ミステリアスな年上の素敵な彼女、
なのだろう?
ならばそれに相応しい装いに――
二度と殿方などと呼ばれないような――
-あとがき-
べびプリ日記風SS
日記の休止(中略)十二日目
いよいと明日(2011.3.28)、
ラジオ更新とPV公開の告知があったべびプリ!
合わせて日記も復活してくれれば……。
というわけでそうなるとこのSSも打止め。
取りを務めるのはこの御方!