PSP Goについて | げむげむまにあ~ゲームニュースにツッコミを~

PSP Goについて

PSP Goが色んな議論を巻き起こしてますな。

当ブログをいつも御覧頂いている皆様はご存じだと思いますが、

当ブログでは基本的にユーザーの選択肢が増えるソリューションは全面的に肯定という立場です。

そういう意味では、今回のPSP Goは、もちろん肯定の立場です。


そして、「選択肢が増える」以外にもいくつかの影響があると思いましたので、

わたしなりにPSP GOの登場が与える影響を考えてみました。

(★マークはクリティカルな影響です)


■制作サイド

□海外市場への参入が簡単になる。

海外への販路が無くても、ローカライズだけ行えば店頭(ていうかサイト?)に並びます。


□営業職がいなくても販売できるので開発会社が参入できる。

すでにiPodTouch&iPhoneでは起こっている現象です。

今までは裏方だった開発会社が、自社販売に踏み出すことが可能になります。


□営業職が不要なので人件費を節約できる。

今までは小売りに買って貰うための営業活動が必要でしたが、

オンライン販売ならそれは不要です。


□SCEに納める製造原価がメディア分だけ下がる。

読んで字のごとく。


□フライング販売の規制。

オンライン販売ならフライングはあり得ません。


★ソフトの価格を自由に決めることが出来る。

「200円で麻雀出せば売れるんじゃね?」というのは誰でも思いつくところです。

戦略の幅が広がります。

※UMD版もあるタイトルは出来ないと思います。DL版限定販売だったらやってくると思います(推測)。


□売り切れによるチャンスロスの解消。

店頭で売り切れだったのでロスしていた「本来売れるはずだった1本」。

これが無くなります。


□製造期間が無くなることから開発期間がギリギリまで対応可能に。

UMD製造期間が無くなるので、その分の期間を開発期間に充てることが出来る。

たとえば、サッカーゲームの場合、より直近の選手データを実装できる。

※UMD版同時発売のソフトはムリだと思いますが。


★中古販売の規制。

メーカー側の悲願でしょう。

と言ってもユーザー側のリスク回避の手段がひとつ減るので、良いことばかりでは無いと思います。


★在庫リスクの軽減。

データを納品すれば終わりですから。


□販売状況の把握が簡単。

何本売れたのかはリアルタイムで確認可能に。


□商品寿命が延びる。

パッケージの場合は、店頭から商品が消えたら商機は事実上消滅します。

オンラインデータ販売の場合は一旦リリースされたら半永久的に商機がイキとなります。

2009年現在にファミコンソフトを購入することも可能になります。


□不良品リリース時の対応が簡単。

パッチ対応できますから。


□マーケティングが簡単。

購入の際にどういうデータを登録させるか次第ですが。

性別、年齢くらいでもわかれば凄まじく有効です。


■ユーザーサイド

★いつでも欲しいときに買える。

夜中でも、台風でも買えます。

また、過去のソフトもいつでも買えます。


□売り切れがない。

これは即ち予約をする手間が省けると言うことですね。

また、店頭に行って徒労に終わることもなくなります。


□ソフトの値段が安い。

これはそのまんま。


□ハードだけ持ち歩けばソフトライブラリは全て内包される。

メモリ内にデータさえあれば何十本だって持ち歩けます。


□中古買い取りに持ち込めない。

購入したソフトが失敗だった場合に中古ショップに持ち込むという逃げ道が無くなります。

これはひつとにリスクヘッジの手段がひとつ無くなったと言うことです。

が、体験版や序盤だけ安価で提供など、別の手段でリスクのトレードオフはできそうな気もします。


□特典がなくなる。

データですから。

が、データ特典が増えるのかもね。


□海外のソフトが買いやすい。

iPodTouch&iPhoneと同じなら(ハードルはあると思いますが)海外のソフトも購入できます。


■ハードメーカー

□製造ラインの縮小が可能に。

UMDの需要が少なくなれば、その分だけ生産ラインを縮小させることも可能ですね。


□物流コストの軽減。

物理的に存在しないので物流という概念自体が消えますね。

※その分、システムの維持・管理費は発生します。


□マーケティングが簡単。

前述の通り。


■まとめ

ここまで列挙しただけでも良いことづくめなんですが、それでも利用しない人はいると思います。

そういう人は以下の理由から踏み切れないのかなと。


・クレジットカードを持っていない。

(プレイステーション ネットワーク カード/チケットは何となくいやだ)

・ソフトが手元に物理的に存在しないのはイヤだ。

・今まで利用したことがない。


この3点が利用したことないユーザーにとって精神的な障害になるとおもいます。

これをどうやって解消させるかが売る側にとって重要なのかなと。


PSNからDLを行ったことが無いユーザーでも、

iPodTouch&iPhoneのユーザーにとっては心理的ハードルはゼロでしょう。

この層は既にデータを購入するという行為に対して抵抗感はありません。

また、iPodTouch&iPhoneのユーザーじゃない人でも、欲しい人気ソフトが店頭で売り切れていた時には、

前述のハンデを克服してでもオンラインデータ販売を利用すると思います。


わたしもiPodTouchのソフトを購入するのは、最初は抵抗ありました。

そのためか無料アプリばかり落としていました。

が、一回有料アプリを落としてしまうと精神的なハードルは一気に下がります。

今では有料アプリを10本以上落としてるもんね。


今回のPSP Goを避難するコメントも小売店側からは出ていますが(当たり前です)、
SCEとしては、今回のタイミングで手を打たなければiPodTouch&iPhoneに抜かれる危険性を感じたんじゃないでしょうか。

現在、iPodTouch&iPhone用のアプリは無料アプリも含めて一日当たり350万回以上ダウンロードされています。


小売店にとっては死活問題。

今回のPSP Goが失敗したとしても、

死活問題が少し先延ばしになっただけで問題は何も解決しませんから……。