DVD『日本政府出展公式記録映画 つくば博 人間・居住・環境と科学技術』レビュー
ジェネオン エンタテインメント
■日本政府出展公式記録映画 つくば博 人間・居住・環境と科学技術
【対応機種】DVD
【価格】3,990円
【発売日】 2008年5月23日
最初に言ってしまうと、これ記録映画です。
(ジャケットの裏面にも「記録映画」とハッキリと書かれています)
今現在テレビで放映しているドキュメンタリーよりも更に無味乾燥とした内容です。
そもそもが思い出に浸りたい人に向けられた内容ではない。
おそらく公人が内部の報告に使用するために撮影したもの。
よって、市川崑監督の『東京オリンピック』とも性格が異なる。
現在のテレビ放送で一番近いのはNHKアーカイブス
。
その中で昭和1980年代の作品が近いのかも知れない。
作品自体のエンタテイメント性に関しては皆無と言っていい。
また、収録されている内容に関してだが、
政府が手がけたパビリオンに関してのみ紹介されている。
華々しかった民間企業のパビリオンの紹介はもちろん、
他国のパビリオンに関しても一切触れられていない。
公人が内部の報告用に作ったものだと推測したのはそのため。
ただし、政府が手がけたパビリオンに関してはかなり詳しく紹介している。
内部がどうなっているかと言うよりは184日間に及ぶ会期中の模様、
いや、パビリオンの建設中から現場の流れを追いかけている。
では、この映像(「作品」と呼ぶには語弊がある)の見所はどこか?
それは、今から23年前に日本人が目指したものを見ることができる点に尽きる。
まさにバブル前夜の1985年(バブル景気は一般的に1980年代後半~90年代初頭と言われている)に、
日本という国が何に憧れてどこに向かおうとしていたのかは映像の端々から垣間見ることができる。
(しかし、それとて映像に対して自ら積極的に問いかけないと見えてこないのだが。)
国際科学技術博覧会と言うだけあって、科学に対する憧憬は恐ろしいまでに伝わってくる。
そして、23年が経過してそれらの憧憬が現実のものになろうとしている現代。
当時は現在人類が直面している地球規模での危機は予測していなかっただろう。
「科学万能の時代」を予測していた当時の思惑と、
現在人類が置かれた状況を対比してみると、これもまた面白い。
同時に、画面を通して伝わってくる「日本はこれからだ!」という荒々しいまでのエネルギー。
ハッキリ言って、羨ましく……正直、軽い嫉妬を覚えた。
それにしても、この映像を見ていると、
物事の本質を考えることが出来るようになってから行きたかったという思いが強く沸いてくる。
わたしは小学生の頃に親に連れて行ってもらったのだが、
当時のわたしでは全く意味がわからなかったと思う(笑)
と言うわけで見る者を強烈に選ぶ一本。
30代以上で当時会場に足を運んでいて、映像ライブラリー系コンテンツに関心がある方だったら
十二分に楽しめると思う。
間違っても「懐かしい!」だけで飛びつくのは危険です。
あ、最後になりますが一人での鑑賞を強く推奨。
夫婦やカップルでこれを見ても気まずくなること必至です(笑)
東宝
【対応機種】DVD
【価格】6,300円
【発売日】 2004年6月25日

