昔の話ですが、ブラジルに住んでいた時のサッカークラブのチームメイト・カルロスの話を紹介したいと思います。

カルロスは、当時の私(19歳)の一つ下の17歳でした。
6人兄弟の長男で控えめな感じがありますが、すごく優しい非常に責任感の強い若者でした。
身長は170センチくらいで特別大きいほうではありませんでした。
ポジションはボランチ(ミッドフィルダー)で主に守備的な仕事を好んでいました。
普段は控えめな感じに見えるカルロスが、いざサッカー!となると、阿修羅(あしゅら)のごとく恐い顔をしてボールを奪いまくる姿を見て、

「本当に同じ人物なのか???」

と疑ってしまうほどの変わりようでした。

さすがサッカーの国ブラジルだ!
サッカーとなるとブラジル人は人間が変わったようになるんだと驚いた。

しかし、そんなカルロスは試合の日に遅刻してくることがたびたびあった。
遅れて試合会場に到着して焦りながらもすごく眠そうな顔をしているので、

「な~んだ。カルロスはまた寝坊かぁ」

とちょっと思ったが、

「ブラジル人は時間にルーズなところがあるから、まあこんなもんかな」

と受け入れた。

監督やコーチも特にカルロスを怒ることもなく、早くウォーミングアップして試合に出る準備をしろと指示をしている。

この状況を不思議に感じたが、これがブラジル流なんだと思った。

そして、試合の後半からカルロスが出場。
いつものように次々と敵のボールを奪っていく。

その姿に、敵は恐れて戦う意欲さえ奪われていった。

まさに彼はサッカーの鬼神のようだった!!

その試合を勝利で飾り、ロッカールームに戻ってくると再び控えめな優しいカルロスがいた。

近くにいたチームメイトに

「カルロスはなんで試合に遅刻ばかりしてくるのか?」

と聞くと

「カルロスの家は貧乏でお父さんもいない6人兄弟の長男だから、いつも夜中の2時、3時までバーで仕事をして、朝は下の兄弟達の世話をしてから、試合に来ないといけないから朝が早い試合は遅刻してしまうんだ。監督やコーチもチームメイトも知っているからみんな何も言わないんだよ」


「・・・・・・。」


そ、そうだったんだ!!!

カルロスはそんな厳しすぎる生活の中でサッカーをしていたんだ!!!

遅刻していると思ってごめんなさい!!!

と頭が下がる思いでカルロスを見た。

その時の彼の優しい眼は力強く、

「俺が絶対に家族を幸福にする!!」

と固く心に誓っているように見えた。。。


実はこれが本当のブラジル流だった!!!


この後、カルロスがプロになったのを見て、私を含めてみんな喜んだのは、あなたにもわかるだろう。


これが「努力の人・カルロス」である。


昔の思い出がまた脳裏に咲き開いたら更新しますね。