(一週間ほど旅行しています。予約投稿です)
私が好きなゲーム業界人に桝田省治という人がいる。
代表作は俺屍、リンダキューブ、天外魔境、メタルマックスなど。
古き良きJRPG時代に、アクの強い作風で人気を博したゲームデザイナーだ。
昨年「俺屍」がPSPでリメイクされたが、限定版に同梱された冊子のインタビューで桝田はこう語っている。
「オリジナル版は毎月、約4分の1の確率で赤い火(※管理人注 ドロップでいいものが出るボーナスタイム)が出現する仕様だが、オリジナル版をやりこんでいる多くの人は火が出現するまでリセットを繰り返す。でもそれだと出現率を4分の1にしている意味が無いし、テンポよくゲームが進まないだろ? だから、ゲーム開始時に「3ヶ月先までの赤い火が出現する月」が決まるように変更したんだ。
ただし、今まで何度もリセットしてプレイしていた人にとっては、赤い火は基本的に「毎月出現していたもの」だ。それなのに仕様を変更したPSP版で、あまりにも赤い火が現れないと苦痛を感じてしまうだろう(笑)。その苦痛を少しでも緩和するために「半年に一度は必ず出現させる」「ひと月に複数出現させる」というように設定しているよ。」
さすがにベテランのデザイナーだけあって、この辺りの論理は納得感がある。このようにユーザーのストレスを緩和させようと務めるのが、正しいバランス調整と言えるだろう。
もちろん、スタンドアローンのコンシューマゲームとオンラインRPGは収益構造が根本的に異なるので、俺屍とPSO2を同列に語ることはできないが、少なくともユーザーへの落とし所から得られる「論理的な納得感」には見習うべきところがある。PSO2のバランス調整にはいささかこの納得感が欠如しているからだ。
酒井Pはバランス修正にあたって「本来のPSO2の楽しさ」を味わって欲しいと強調していたが、実在を疑うレベルでしか出現しないレアボスを引くまでリタマラを繰り返すことが、本来のPSO2の楽しさであるとは考えにくい。友人たちと周回するプレイ自体が楽しく感じられて、それを繰り返すうちに少しずつレベルが上がりお金もたまり、それはそれで心地良い。そして忘れた頃にポロッとレアが出て感激する・・・という構図がおそらく正しいのだと思うが、プレイヤーをそのように誘導するには好材料が足りず、どうせ自分には手に入らないからレア装備は諦めて追いかけはしない、というのが現状に即しているのだと思われる。
そのうちレアボス確定のクエストを配信するつもりかもしれないが、そうなると牛丼屋の値引きと一緒でその期間が水準となってしまい、実施期間以外の魅力が大きく損なわれることになる。なんとか上手い調整を考えて欲しいところだ。
何度も言うがレアが出ないのが問題ではなく、レアを掘る過程を楽しめるようなデザインになっていないのが一番の問題だと思う。クラスごとに目当ての行き先が違う、ドロップは緊急クエストのみなど、自由きままにプレイするには足かせが多すぎる。エネミーに複数の種別の武器をドロップさせる、同レアリティなら物々交換可能にする、など色々な方策はあるはずだ。
初代PSOの頃とは違い、今は無料のオンラインゲームが巷にあふれている。そんなに辛抱強いユーザーばかりではないだろう。ベンチマークにするべきは先行している高レベルプレイヤーではなく、やっとLv40に行くかどうかのカジュアル層だと思うのだが、彼らの目には今のレアボスやレア装備がどう映っているのか・・・。